コラム

「え、ハンドルとモニターしかないじゃん」――テスラ初体験の同級生を当惑させた“物理スイッチ消滅”と新しいクルマの常識【渡辺慎太郎のツベコベイワセテ その9】《LE VOLANT LAB》

テスラ・モデルY L
テスラ・モデルY L
テスラ・モデルY L

物理スイッチはどこへ消えた? テスラがもたらす「操作系のパラダイムシフト」

同級生から、テスラのディーラーへ試乗に行くので一緒に付いてきて欲しいと頼まれた。彼曰く、あまりにもたくさんのテスラを街で見かけるようになったので、いったいどんなクルマなのか興味を持ったという。

試乗車は最近追加になったモデルYのロングホイールベース版の“L”だった。ドアを開け運転席に座るなり、彼は固まった。
「え、ハンドルとセンターモニターしかないじゃん」

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ハザードスイッチ探しでパニック!? 初体験テスラのあるある

これは初めてのテスラの“あるある”である。
「シフトレバーないじゃん!」「パーキングブレーキどこ?」「サイドミラーどうやって調整すんの?」とかなり慌てている。
「とりあえず、ハザードスイッチの場所は確認しといたほうがいいよ」と伝えたら、センターモニターを凝視しながら触りまくって「どこ?どこ?」とさらに焦っていた。
「そこを見てたら一生見つからないよ(笑)」と言ってルーフを指さしてあげたら「ここかよ!」と絶句した。

テスラのサイドミラーの調整は、センターモニターで行う。モニターの右下のクルマのアイコンを押すと、さまざまな機能の設定画面が現れる。「ミラー」を押すと、ステアリングボタンのグラフィックと共に調整方法が表示され、右側のステアリングスイッチを触るとミラーが動く仕組みだ。

テスラ・モデルY L

「ついでにステアリングのテレスコとチルトもやっといたほうがいいよ」と伝え、彼は今度は「ハンドル」を押すと、サイドミラーと同じボタンとその操作方法が表示された。
「ミラーとハンドルが同じスイッチなの?」とまた絶句していた。ちなみにこの画面では、ヘッドライトやワイパーやサイドミラーの格納やグローブボックスのアンロックなどもできる。
ブレーキペダルを踏むと、モニターの右上にシフトセレクターが表示され、スライドしてDやRを選ぶ。

テスラ・モデルY L

「スタート/ストップボタンは?」「カードキーや登録済みのスマホを持って乗り込むと自動的にスタート状態になるからないんだよ」
「なんと……」
彼はまさしく恐る恐るシフトセレクターをスライドさせてDを選び、ユルユルと走り出した。

テスラ・モデルY L

「メーターパネルがないじゃん。速度はどうやって……あ、モニターに出るのか」といった感じで、試乗中はクルマの乗り味そのものよりも各種機能や装備の把握だけでいっぱいいっぱいだったようだ。

「クルマのクセにシフトレバーがないってどうなのよ」

試乗を終えて近くの喫茶店でお茶することになった。運ばれてきたアイスコーヒーを一気に半分くらい飲んでから、彼は勢いよく、でも感慨深げに話しはじめた。
「テスラに乗ってる人ってみんなあれを使いこなしているわけなの? どう考えたって色々使いにくいじゃん。サイドミラーはたまに走り出してから微調整したくなるけど、あんなんじゃ運転しながら調整なんて絶対ムリ。だいたい、クルマのクセにシフトレバーがないってのはどうなのよ。あり得ないでしょ」

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フォト=宮門秀行/H.Miyakado

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