ボルボ、EX30をモバイル電源として活用できる最新ソフトウェアを発表
ボルボ・カーズは2026年9月1日、コンパクトEV「EX30」に対し、車両をモバイル電源として活用できる新たなソフトウェア・アップデートを発表した。双方向充電技術の一部であるV2L(Vehicle-to-Load)機能の追加により、バッテリーから外部機器へ直接の給電が可能となる。この無線通信によるアップデートは無料で順次配信され、購入後もソフトウェアを通じて車を進化させ続けるという同社のアプローチを体現している。
アウトドアや停電時に活躍するV2L機能
今回のアップデートにおける最大の目玉は、車両のバッテリーを使って外部デバイスに電力を供給できるV2L機能の導入である。外部充電ポートに別売りのアダプターを接続するだけで、標準的なコンセントとほぼ同じように様々な電化製品を使用できるようになる。
供給電力は最大3kWに対応しており、キャンプでの調理器具やDIY用の電動工具、停電時の冷蔵庫の稼働など、多彩なシーンで十分な電力をまかなうことができる。また、バッテリー残量が20%を下回ると自動的に給電を停止する保護機能も備わっている。なお、この機能はEVの「EX60」にも用意されており、今後はさらに他のモデルへも展開される予定だ。
充電の利便性向上と洗練された操作系
新しいソフトウェアでは、日常の使い勝手を向上させるためのユーザーエクスペリエンスの改善も図られている。設定メニューがよりシンプルに整理されたほか、ユーザーにとって重要な機能を提示するカスタマイズ可能なコンテキストバーが採用され、必要な操作へ直感的にアクセスできるようになった。
さらに欧州の一部の市場向けには、対応する公共充電ステーションにケーブルを繋ぐだけで自動的に充電が開始されるプラグ&チャージ機能が追加される。これにより、アプリの操作やカードの認証といった煩わしい手順を省くことが可能となった。なお、V2L機能の導入はCCS2充電規格を採用する地域が中心となり、日本や米国などの市場は対象外となる。ただし、操作系の改善を含むソフトウェアの更新については、これらの地域のオーナーにも等しく提供される。
【ル・ボラン編集部より】
ボルボ史上最小にして、物理スイッチを極限まで削ぎ落としたEX30。デビュー当初、その徹底したミニマリズムに一抹の物足りなさを覚えたのも否定できない事実だ。しかし今回のアップデートで操作系が洗練され、海外ではV2L機能まで追加されると聞き合点がいった。あのシンプルなキャビンは単なるコストダウンではなく、後からソフトウェアで進化させる「余白」を担保する設計思想だったのだ。日本では(現時点では)V2L非対応なのが惜しまれるが、クルマが成長するデバイスへ移行したことを実感させる、北欧らしい合理的なアプローチである。

