今回の試乗では家族で乗るもよし、友人やカップルでレジャーやアクティビティ、ちょっとしたお出かけまでをカバーする、マルチパーパスカー2台をピックアップ。便利で広いラゲッジスペースや多人数乗車が可能といった生活感にあふれたクルマ選びでも、フランス車ならオシャレで遊び心も満載なのだ。
プレミアムな5008、なごみ系なカングー
普段ほとんどクルマに興味を示さない夫が珍しく助手席から覗き込んだほど、プジョー5008の運転席まわりはキラキラしている。タッチパネル式のセンターディスプレイの下には、ナビやオーディオ、エアコンなどの機能を選ぶスイッチが鍵盤のように並び、いかにもクイックに反応しそうな小径のステアリングホイールは天地が直線になっていて、スポーティな上にデジタルインスツルメントパネルを遮らない。
日が暮れて真っ暗な農道を小雨の降る中走っていたら、オートワイパーはもちろんのこと、前照灯が勝手にハイビームになり、対向車が来るとローになる。いろんなセンサーがついているなぁと感心する。8速ATのディーゼルターボは、プレミアム感たっぷりのトルクで軽やかな加速をし、一般道から高速まで常時1500rpm界隈をキープ。ちょっと大きめだけあって、まっすぐ安定して楽ちんだし、しっとりした乗り心地もまた、う〜んプレミアム。
そしてちょっと大きくなったそもそもの理由、必要な時だけ7人乗りになることの便利さよ。最終列のプラス2席の着座姿勢は膝を立てることになるが、成人男性でもまあ座れる。ジジババ一緒に食事や旅行なんて時や、ママ友と子連れでおでかけなんて時に大活躍してちやほやされたい。その2席はきれいに格納できるし、なんなら外して収納スペースを広げることもできる。月に1度あるかどうかの機会のために、スタイリッシュで機動性の高いSUVをがまんしなくていいのがうれしい。