ドライバーの体格に合わせたシート製作も可能。911およびボクスターなどに設定
3Dプリンターの進化は目ざましく、今や人口骨の製作や人口呼吸器の製作も可能となっている。工業部品の分野では、すでに作れないものはない、といえるまでになりつつあるが、ポルシェAGがその3Dプリンターでシートの一部を製作。早ければ今年5月から911および718ボクスター/ケイマン用のアイテムとして市販を始める。
さすがにシート全体を作るのは無理のようだが、今回ポルシェが手がけたのはシートクッション、シートバックの内部材で、ハニカム形状の立体メッシュで製作されている。3Dプリンターならではといったその複雑な形状は、たしかにクッション性と通気性を兼ね備えていそうで、ポリウレタン系の素材ならでは軽量化も期待できる。この素材を使った「3Dプリント・ボディフォルムバケットシート」は、まずはポルシェテクイップメントによるオプションとして設定。生産車への搭載は2021年を予定している。
3Dプリンターにドライバーの体型データなどをインプットしていけば、体格に合わせたシートの製作も可能で、クッションの固さの調整も可能。現時点でコストがどのくらいかかるのかは明らかにされていないが、モータースポーツ用はもちろん、身体にぴったり合うシートを望むユーザーの要望にも応えられる。新たなシート・テクノロジーとして幅広く活用される可能性も秘めていると見ていいだろう。