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2020年上半期・最新BMW3シリーズ・バイヤーズガイド「いま選ぶべき3シリーズはどれだ?」

セダンとワゴンという2種類のボディタイプに、ガソリン3種にディーゼル、 PHVのパワーユニット、そして標準モデルに加え、スポーティなMスポーツも選べるなど、全部で19種類のグレードが選べる最新G20系3シリーズ。これだけあるとどれを選ぶべきか迷ってしまうはず。ならば指南しましょう! いまもっとも旬な3シリーズはどれ?

Chapter 01 BODY TYPE/セダンとワゴン、33万円の価格差はどこにある?

一般的にセダンとワゴンは、多少乗り味の違いがあるものだが、 3シリーズはその差が極めて少ないのが特徴ではある。それゆえどちらかを選ぶのは非常に悩ましいのだが……。

M340i xDrive/標準時のトランクルーム容量は480L、床下にバッテリーを搭載する330eは375Lとなるセダン。40:20:40の分割可倒式リアシートを畳めば、奥行きはツーリングと同等になるが、高さ方向のスペースはさすがにかなわない。

日本市場の意向を踏まえ3シリーズは開発された

2018年10月、パリ・サロンで7代目3シリーズが発表された。2019年1月、日本でも受注が始まり3月には発売。さらに、6月にはワゴンボディのツーリングが追加され11月から日本で発売。この展開は、かなり早かった。それだけ、BMW本社が日本市場を大切にしているということだ。

M340i xDrive/新型になって左右が繋がったキドニーグリルはエンジンフードに回り込む立体的な造形となり、従来型よりボディラインとの一体感が増している。ボディサイズは先代モデルより全長が+70mm、全幅が+25mm。

実をいうと、BMWジャパンは単なるインポーターではない。現行型の開発過程では、主要6各国のプロダクトマネージャーが集まり重要なミーティングを実施。日本の担当者も、そのメンバーに加わっていた。たとえば、ドライビング ・ アシスト ・ プロフェッショナルを機能させるハイエンドモデルのために開発していた3眼カメラを採用したことは、安全装備に対するニーズがきわめて高い日本の意向が反映された結果だ。

M340i xDrive

また、ツーリングのテールゲートに組み合わされる独立開閉式リアウインドーが装備から省かれる可能性があったという。だが、駐車スペースの制約が大きいためこの機能が不可欠という日本の意向により採用が継続されたのだ。

M340i xDrive

ちなみに、便利だがこの機能によりコストが上昇。重量がかさむだけに、標準装備となるオートマチック ・ テールゲート ・ オペレーションを作動させる開閉システムも高出力化が必要だ。さらに、バンパー下でつま先を動かすだけで開閉ともに可能なコンフォート・アクセスも標準装備される。

320d xDrive Touring M Sport/ラゲッジスペース容量は通常時で510L、最大で1510Lまで拡大可能だ。また、オプションでアンチ・スリップ・レール・システムを装着することができ、容易な荷物の積み込みや、走行中に荷物が動くことを抑制してくれる。

セダンは、スプリングによりワンタッチあるいはスマート・オープン機能によりバンパー下につま先を動かせばトランクリッドが開くものの閉じるのは手動。そのため、セダンとツーリングの価格差が33万円となるのは納得できる。

320d xDrive Touring M Sport/アイコンとなるホフマイスターキングはDピラーに向かってなだらかに上昇。セダンも同様だが、トレッドはスタンダード、 Mスポーツで異なる。また、ルーフレールぶんだけ、ツーリングの全高はセダンよりも高い。

しかも、セダンに対するツーリングのボディサイズは全長と全幅が同じだが車両重量は70kg増しに。その理由は、ツーリングはボディ後部が筒抜けとなりセダンと比べ剛性が落ちるので補強が必要となるからだ。特に、テールゲート回りの開口部はガッシリと固めてある。当然、生産時の工数も追加となるのでコスト上昇となる。

320d xDrive Touring M Sport

だが、ボディの剛性対策を実施した効果は期待以上に大きい。路面のザラつきをタイヤが拾うことで微振動が発生し、それがボディに伝わりゴーッという音になるロードノイズは、荷物スペースと室内スペースの間が遮蔽されていないワゴンは大きめになりがち。ところが、ツーリングはセダンよりもロードノイズが抑えられている。荷物スペースのフロアによる振動の遮断性が高いため、ボリュームが低いだけではなく響くことがないので耳障りに感じないのだ。

320d xDrive Touring M Sport

もちろん、直後に乗り比べて分かる程度の差なのでセダンのロードノイズが騒がしいというわけではない。プレミアム系Dセグメントとしても3シリーズのセダンは静粛性が優れている方だ。なおかつ、ツーリングを含め男性としては大柄なリポーターが前席で最適な運転姿勢を選び直後の席に移っても、頭上や足下のスペースには余裕がある。3シリーズは、居住性でも満足度が高い。

フォト=郡 大二郎/D.Kori、篠原晃一/K.Shinohara ルボラン2020年7月号より転載
萩原秀輝

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