三菱

最大195Nmのトルクフルなモーターで静かに速く安定感ある走り! ekクロスは低価格EVとして是非とも試乗をオススメ

航続距離の伸長はBEVの大きな課題だが、ミツビシのニューモデルは軽自動車の基本的利用方法に最適化、その問題をクリアした1台だ。

【写真8枚】軽自動車とは思えないスムーズな走りがウリのekクロスを写真で見る

この乗り心地、侮れない!

eKクロスEVの一充電走行可能距離は、WLTCモードで180km。現在の市販BEVでは最短レベルだが、日常的な通勤やちょっとした買いものなどに適応できる必要十分なバッテリー量とすることで、重くなりすぎず、価格も抑えることに成功した。

日産のEVであるサクラとは兄弟車だが、ミツビシ車らしいスタイルに仕立てられた。Gグレードに国と東京都の補助金を適用すれば、車両価格(税込み)は約140万円になる。

20kWhのリチウムイオンバッテリーをフロア下センターの前後方向に搭載。モーターはアウトランダーPHEVのリア用と共通で、最高出力はeKシリーズターボエンジン車と同じ64ps(47kW)なれど、最大トルクは倍近い195Nmを発生する。また、バッテリーを欲張らなかったために車重は1060〜1080kgとなり、ガソリン車に比べて増加は200kgほどで済んでいる。トルクと車重の関係を、代表的な輸入車と比較すれば、VWポロが1Lターボ/175Nm/1160kg、ミニONEは1.5Lターボ/190Nm/1210kgだから、eKクロスEVがミニマムな車体に対して圧倒的なパワーユニットを持つとわかるだろう。

アクセルペダルのみで加減速をコントロールする、いわゆるワンペダルドライビングも可能。ACCや駐車アシスト、SOS発信などのサポート機能も用意されている(グレードによりオプションで設定)。駆動方式はFWDのみ。

実際に走らせてもゼロ回転から最大トルクを発生できるモーターの加速はEVならではの爽快さ。適度な車重があるおかげで車体の動きもしっとりと上質で、乗り心地もレベルが高い。軽規格内ゆえの狭いトレッドに加えてベース車から15mmも全高が上がったのは不利な部分であるものの、重量物のバッテリーを床下に置いたことや、前後重量配分の改善により安定感ある走りを確認できた。令和4年度における国からの補助金は55万円で、地方自治体によってはさらに補助金を受けることができる(東京都45万円、名古屋市20万円、福岡市10万円など)。価格を抜きにしても、予想外のポテンシャルを持ったクルマなので、軽自動車というだけで選択肢に入れたことのなかったみなさんも、ぜひ試乗してみては?

普通充電(上)と急速充電(下)に対応。自宅の普通充電だと約8時間でフルに、急速充電器では約40分で80%まで残量を回復可能。

【Specification】三菱eKクロスEV G
■標準価格=¥2,398,000
■全長/全幅/全高=3395/1475/1655mm
■ホイールベース=2495mm
■トレッド(前/後)=1300/1295mm
■車両重量=1080kg
■モーター型式/種類(個数)=MM48/交流同期モーター(×1)
■最高出力=64ps(47kW)/2302-10455rpm
■最大トルク=195Nm(19.9kg-m)/0-2302rpm
■総電力量=20kWh
■一充電走行距離(WLTC)=180km
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:3リンク/コイル
■ブレーキ 前/後=Vディスク/ドラム
■タイヤ(ホイール)=前:165/55R15(5J)、後:165/55R15(5J)
■問い合わせ先=三菱自動車お客様相談センター 70120-324-860

三菱ekクロス公式サイト

フォト=市 健治/K.Ichi ルボラン2022年9月号より転載
CARSMEET web編集部

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