DOHC搭載の最強モデルをキット化
近年、様々なヒストリックカーを精力的にキット化しているハセガワから、またも衝撃の新製品アナウンスがなされたので、ここでお伝えしておこう。完全新金型1/24スケール・プラモデルとして今年8月初旬に発売予定の「いすゞ ベレット 1600GTR 前期型(1969)」である。
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今ではトラック専業メーカーとなった、いすゞ自動車。同社ではかつて、ヨーロッパ的センスに溢れた名車をいくつも世に送り出してきたが、その代表的な存在がベレットだ。ベレットはまた、国産車で初めて「GT」を名乗ったクルマとして、日本の自動車史に名を残す存在である。
ベレットは1963年に、コロナやブルーバードの対抗車種であるファミリー向け4ドア・セダンとして発売された。卵の殻をモチーフとする丸みを帯びたボディスタイルが特徴的で、機構的には四輪独立懸架を採用するなど、当時としては先進的な内容を誇る。登場翌年には2ドア・セダンとともに、2ドア・クーペを1600GTとして発売。これは前年に1500GTとして発表されたものだが、この時にはまだスカイラインの2000GTは存在しておらず、これが国産車初のGTと言ってよい訳である。
この1600GTのホットバージョンとして1969年10月に発売されたのがGTRで、最大のポイントはGTのOHVに対し、高性能なDOHCエンジンを搭載していたことだ。このエンジンは117クーペに搭載され前年に世に出たG161W型で最高出力は120psを発揮、1トンに満たないボディとの組み合わせで最高速度190km/hを実現した。ブレーキやサスペンションなどシャシーも強化し、タイヤもラジアルを装着している。
エクステリアも迫力のあるもので、バンパーを左右2分割とし、ナンバープレート両脇にフォグランプを装着した、独自のフロントスタイルが特徴であった。ボンネットを防眩のためつや消しブラックとし、サイドにも黒いストライプをあしらっていたのも魅力的である(レスオプションも設定があった)。
ハセガワならではの実車の味わいそのままな縮小ぶりに期待大!
いささか実車の説明が長くなったが、今回ハセガワがキット化するのは、このベレット1600GTRの前期型だ。ベレットは1971年にマイナーチェンジを行っており、フロントグリルのデザインが変更され、テールランプも大型化されている。このタイプは1973年まで生産され、GTRとしては後期型、他のモデルとしては最終型ということになる。製品化されるのはこのマイチェンより前のタイプということである。
ハセガワから公開されたのは未だ3D CAD画像と側面図のみだが、いつものように徹底した実車取材による設計が行われているとのこと。そのプロポーションの正確さ、見事さはこの段階でも充分に察せられる通りである。外観、室内、シャシー裏面が再現されたプロポーションモデルとなる模様だが、サスペンションやエンジン下部などの緻密なモールド、ダッシュボードやドア内張りの滑らかな形状など、パーツとなったときの様子が目に浮かぶようだ。
ボディはオレンジ成型、メッキパーツはフロントグリルや前後バンパー、ホイールリム、テールライト鏡面、フェンダーミラー鏡面等。車名ロゴやルームミラー鏡面はメタルインレットで再現されるという。また、ウィンドウの塗り分けシールも付属する模様。
価格は3,520円(税込)、発売時期は今年8月初旬。