ホイール

スーパースポーツで顕わになる懐深き、鍛造マジック「BBS LM」

BBS LMの懐の深さには驚く。どんな性能と世界観を持ったクルマにも、ピタリと似合って引き立てる。それはスーパースポーツでも変わらない。ニゾローが製作したアウディR8 V10を前にそんなことを再確認した。

クルマの性能を受け止め固有の世界観を引き立てる

「クルマごとに似合うホイールへと換えるのではない。まず欲するホイールありきで、それに似合うクルマを選んできました」

多種多様な方向性のカスタムを提案するNizo-Low(ニゾロー)の代表取締役を務める岡崎隆徳氏は、自らの愛車やデモカーにはそんな信念を持ったクルマ選びをしてきた。そして「欲するホイール」のほとんどを占めるのがBBS LMだという。2024年で30周年を迎える長寿モデルながら、いまだに最新モデルを見事に引き立て、あるいは調和してしまう。強度や剛性、軽量性能といった性能面も抜かりはない。BBSジャパンが有する最高峰の型鍛造製法と切削技術、そして多様な仕様やサイズ設定を可能とする2ピース構造だからこそ可能となる性能であり世界観である。

アルミ鍛造2ピースホイール「LM」は今年で30周年。7月には日刊自動車新聞 用品大賞2024「ロングセラー部門」に選出された。右は30周年記念モデルとして限定販売されるダイヤモンドゴールド(ディスク)×ブラックブライトダイヤカット(リム)である。

その高性能を活かすかのごとく、ニゾローは積極的にスーパースポーツにLMを持ち込む。世のスーパースポーツ勢もまたLMが似合うはずだという意識を持つ。

円形に窪むセンターパートと、リムへ向かって伸びていく10本のクロススポーク。リムとディスクとを繋ぎ止めるピアスボルトなど、いかにもLMらしい造形だ。発売から30年が経った今も、色味やサイズ以外は不変のものである。

一例としてアウディR8 V10がある。いかにもアウディらしい先進的なフォルムは、今もなお鮮度を失わない。BBSならよりモダンな造形を持つRI-Dなどを組み合わせたくなるが、ここにあえてLMを持ってきたところが興味深い。KW HASにより車高を絶妙な塩梅へと持っていき、そこにフロント9.0J× 20インチ、リア10.5J×21インチという前後異型サイズを投入した。ミシュラン・パイロットスポーツ4Sのサイズにひと工夫加えるなど、いかにもニゾローらしい。

実際、いかにもスーパースポーツらしいフォルムを支える繊細な10本スポークが、エレガントな印象を訴えかける。ダイヤモンドブラックの高級感もまたR8の世界観と調和する。相応に存在感のあるリムの厚みがもたらすスポーティな雰囲気も見逃せない。

ニゾローの岡崎氏はBBS LMのことを“万能調味料”だと表現する。どんなクルマであっても、LMを加えることで固有の旨みが引き立つという。それはR8 V10であっても成立することをここに証明した。「スーパースポーツにも似合う」ではなく「スーパースポーツにこそ似合う」のがLMだと思わせてくれた。

【COLUMN】BBSジャパン「最高のお気に入り。」フォトコンテスト2024

応募期間 2024年8月31日(土)まで
https://tc.bbs-japan.co.jp/jp/photocontest2024/

各種自動車メディアでBBS製ホイールを撮りまくっているのがカメラマンの中島仁菜さんだ。彼女はいつも過度に気取らず気負わず、“クルマ雑誌っぽくない”自由な目線でホイールを切り取る。特に“日常のワンシーン”を大事にするという。日常じゃありえない非現実的な絵面に挑むのもいいけれど、生活のなかで愛車を見る目線で、クルマとホイールがカッコいいと思うアングルを見つける。無理にステアリングを切ってホイールを強調させたりはしない。あくまで自然体そのまま。愛車を駐めて振り返って見たとき、はっとするようなカッコよさ(美しさ)を感じたのなら、それをそのまま写真に収めればいい。機材に画像加工にとに凝りまくる前にまずは愛車に対する想い、そのピュアな目線を意識して、BBSジャパン主催のフォトコンテストに挑んでみよう。

Profile・中島仁菜(Nakajima Nina)/広告制作会社のカメラマンを経て独立。被写体は定めず自動車関係から人物撮影と多方面で活躍中。仕事のない夜はお酒を愉しむ日々を送りつつ、最近はある水族館で24時間ライブ配信されるラッコに癒されている。

“日常のワンシーン”を大切にしたい。

「駐車場に停めた愛車に見惚れたことありませんか? その視点が大事。無理にステアリング切ったりするより、シーンに溶け込みつつオーラを放つ感じを表現したい。多少、ホイールが見えにくくたっていいと思います」

「ステアリングを切ってホイールを撮影するのは王道中の王道。もちろんいい感じの絵面が撮れます。でも、逆から撮ったらそれはそれでリムの立体感が強調されたり、光がキレイにあたったり。ホイールって奥が深いです」

 

フォト=白谷 賢 ルボラン2024年9月号より転載

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