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無意識にやっていませんか? 車間詰め、ハイビーム… 多くのドライバーが犯す交通違反と罰則

無意識だった! では済まされない交通違反

街中のクルマや運転中に周囲のクルマの動きを見ると、実は交通違反になる運転行動をしているドライバーをよく見かけます。そこで今回は、一般道路や高速道路などでよく見かける“実は交通違反になる”運転行動と違反したときの罰則について解説します。

対向車や前方に車両などがいるのにハイビームで走行したり、渋滞中に自車の前に合流するクルマを入れないようにするために車間距離を詰めたりするといった様子を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

このような運転行動は、ドライバーが無意識にやっていることが多いです。しかし、これらは交通違反となります。その他にも、交差点内や横断歩道上での駐停車やウインカーを出さずに右折・左折・進路変更なども交通違反です。ここからは、よく見かける運転行動が実は交通違反になるという事例を交えながら、詳しく解説します。

車間距離を詰めて走る「車間距離不保持」

一般道路や高速道路で、前のクルマにピッタリくっついて運転しているクルマを見たことがある方は多いのではないでしょうか。また、渋滞中の車列に合流してくるクルマを入れないようにするために車間距離をギリギリまで詰めているクルマを見ることもあります。

このような運転は、適切な車間距離を維持していない「車間距離不保持」という交通違反です。車間距離不保持の違反で取り締まられると、違反点数1点、反則金6,000円(普通車)となります。

また、合流する側のクルマは、合流しようとする車線を走行しているクルマに急ブレーキや急ハンドルをさせてしまう恐れがあるときに合流してはなりません。もし、無理やり割り込むと、割込み等の違反で取り締まられる可能性があります。割込み等違反は、違反点数1点、反則金6,000円(普通車)です。

対向車等がいる場所でのハイビームは「減光等義務違反」

夜間、対向車や後続車がハイビームのまま走行していて眩しい思いをしたことがある方もいるのではないでしょうか。対向車や前方を走行している車両などがいる場面でハイビームのまま走行し続けるのは、「減光等義務違反」です。違反すると、違反点数1点、反則金6,000円(普通車)となります。

ハイビーム走行しているクルマは、前方の様子がよく見えて運転しやすいかもしれませんが、周りのクルマは眩しい思いをしています。夜間、対向車や前方を走行する車両などがいる場面では、メーター内の表示を確認してハイビームになっていないか(オートハイビームやアダプティブシステム搭載車はオートになっているか)確認しましょう。

交差点内での停車や横断歩道上での停車「駐停車違反」

繁華街やコンサート会場などの近辺では、交差点内や横断歩道上で駐停車している一般車やタクシーを見かけることがあります。交差点内や横断歩道上は、人の乗り降りのために停車するのも交通違反です。取り締まられると、違反点数3点、反則金18,000円(普通車)となります。

なお、駐停車禁止場所であっても、「人の乗降を除く」の補助標識がある場合は違反となりません。補助標識の有無で交通違反になるかが変わるため、駐停車するときは標識や標示をよく見て判断しましょう。

ウインカーを出さずに右左折や進路変更をする「合図不履行」

道路を運転していると、右折レーンまたは左折レーンから交差点を曲がるためにウインカーを出さずに右折・左折するドライバーや、ウインカーを出さずにしれっと進路変更するクルマを見かけることがあります。

このような運転行動は、合図すべき場所で合図を出していない「合図不履行」という交通違反です。違反すると、違反点数1点、反則金6,000円(普通車)となります。時には、うっかりウインカーを出し忘れてしまったということもあるかもしれませんが違反は違反です。うっかり出し忘れも無くすよう、日頃から合図を適切に使用するようクセ付けておきましょう。

右左折するときに膨らんだり逆振りをしたりする「交差点右左折方法違反」

交差点の右折や左折をするとき、反対側に膨らんで曲がるクルマを見かけることがあります。特に、左折する直前に右側にクルマの頭を振ってから曲がるドライバーが多いです。このような運転は、「交差点右左折方法違反」という交通違反です。取り締まられると、違反点数1点、反則金4,000円(普通車)となります。

また、交差点を左折するときに右振り、右折するときに左振りをすると、右左折するクルマを抜く後続車や隣の車線を通行するクルマなどと接触する可能性が高くなります。右左折するときは逆振りすることがないよう注意しましょう。

なお、左折または右折して入ろうとする道路が狭いなど、やむを得ない理由があるときは、逆振りせざるを得ません。どうしても逆振りしなければならないときは、対向車や後続車などがいないか確認してから行いましょう。

よく見る運転が交通違反ということは珍しくない

ここまで、よく見かける運転行動が交通違反になることを解説してきました。これらの事例や交通違反を「よく見かける!」と共感する方もいれば、「あ、無意識のうちにやってた」と思った方もいるのではないでしょうか。この記事で解説してきた交通違反で取り締まられないようにするためには、自分で自分の運転を見直して矯正していく必要があります。

何気ない運転行動で取り締まられないようにするためにも、定期的に自分の運転を見直し、ルールに則った運転をしているか確認しておきましょう。

運転を見直す際は、運転の指導を受けるという方法もありますが、ドライブレコーダーの映像を見返すのも有効です。もし、自分のクルマにドライブレコーダーが装着されているのであれば、データ整理のついでに運転を見直してみてはいかがでしょうか。

齊藤優太

AUTHOR

1991年生まれ。静岡県出身。高校時代にガソリンスタンドでアルバイトしたことをきっかけにクルマに興味を持ち、大学卒業後に自動車販売店(正規ディーラー)に就職。その後、教習所の指導員、中古車買取、タクシードライバーの経験を経て、2020年にフリーランスへ。現在は、自動車ライター/インストラクター/ジャーナリストとして活動している。

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