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全モデルを写真で振り返る、誕生60周年を迎えるスカイライン(スカイラインGT-R編)

日産スカイラインが、2017年で生誕60周年を迎えた。初代スカイラインは、1957年4月24日、長い道のりを気持ちよく走るグランドツーリングの歓びを高次元で体験できるクルマとして誕生した。以来、その価値は、それぞれの時代の、最先端の技術を搭載した歴代(12代)のスカイラインによって、常に新しい世代へと受け継がれてきた。

 

そこで当サイトでは、5回に分けて歴代スカイラインを写真を中心に振り返った。今回は番外編として、その5回で触れなかったGT-Rについてまとめた。

 

 

初代:前期PGC10型(1969年-1970年)・後期KPGC10型(1970年-1972年)

 

1968年の第15回東京モーターショーに出展された「スカイラインGTレーシング仕様」。その市販モデルが初代GT-Rだ。車体は「スカイライン2000GT(GC10型)」がベース。エンジンには、純粋なレーシングマシン「R380」用のGR8型エンジンをベースとする総排気量2,000ccの直列6気筒DOHCエンジン(S20型)を搭載していた。1969年2月にされた初代GT-R(PGC10型)は、この「GTレーシング仕様」そのままと言えるモデルだった。

 

C10-source

 

大きくなったタイヤサイズに対応するため、リアフェンダーのサーフィンラインがオーバーフェンダー装着により大胆にカットされた。軽量化のため、ウインドウガラスの簡素化・熱線は未装備、モール類も未装備とされた。1970年10月には、70mmホイールベースを短縮して運動性能が向上したハードトップ(KPGC10型)に変更された。この前期・後期の初代GT-Rは通算52勝をあげた。

 

以降、スカイラインGT-Rは、2世代・5代に渡って発売されることとなる。

 

 

2代目:ハードトップ2000GT-R(KPGC110型)1973年

 

初代と同じくレーシングエンジンをベースに開発されたS20型エンジンを搭載。前後オーバーフェンダー・リアスポイラー、それに専用ラジエターグリルを装備していた。テールライトが丸型4灯とされた最初のモデルであり、それは以降のスカイラインの代名詞となった。

 

 

一方で排気ガス規制の影響もあり生産台数は僅か197台であり、レースに出場することもなかった。この2代目をもってGT-Rは、16年もの長期に渡ってラインアップから外れてしまった。

 

 

3代目:BNR32型 1989~1994年

 

第2世代、3代目となるGT-Rは、1989年5月に16年ぶりにリリースされた。総排気量2,568ccの直列6気筒4バルブDOHCエンジンに2基のセラミックス製ツインターボ(RB26DETT型:280ps/6800rpm、36.0kgm/4400rpm)を搭載しており、足回りには「ATTESA E-TS」・「Super HICAS」といった最新技術が導入された四輪駆動車に変貌を遂げていた。2,600ccという排気量は、当時グループA規格で行われていた「全日本ツーリングカー選手権(JTC)」のレギュレーションに対応させたためだ。

 

 

エクステリアをGT系標準モデルと比較すると、フロントバンパー、アルミ製フロントフェンダー、アルミボンネット、フロントグリル、16インチアルミ鍛造ホイール、前後フェンダー拡幅化、リアウィングなど多数が変更されていた。1990年にはグループA参戦マシンのホモロゲーション用モデルとして500台限定でGT-R NISMOが発売された。

 

久しぶりに復活したGT-Rは、当初目標として設定していたJTCシリーズ終了までに通算29連勝を遂げたほか、N1耐久シリーズでも勝利を重ね、通算60勝を挙げた。

 

 

 

4代目:BCNR33型 1995~1998年

 

ベースモデルR33型スカイラインから遅れること1年半、1995年1月にリリースされたのがR33型スカイライン。ベース車両の変更に伴い車両重量が増加したこともあり、エンジンは同じRB26DETT型を改良して搭載していた。

 

 

サスペンション形式は先代のR32型と同じマルチリンクだが、前アッパーアームをA型に変更して、後ダンパーのストロークを増加させていた。リアウイングは角度変更が可能な仕様であった。

 

 

5代目:BNR34型 1999~2002年

 

第2世代最後のモデルとなるR34スカイラインは、1999年1月に発売が開始された。エンジンはRB26DETT型(280ps/6800rpm、40.0kgm/4400rpm)を搭載。ボディが大型化してしまった先代の反省から、ホイールベースを55mm、全長を75mmサイズダウンさせていた。ホイールは18インチサイズとされ、ブレーキは先代から引き続きブレンボ製を標準装備。Vスペックには量産車初のオートクレーブ工法で形成されたカーボンディフューザー等のアドバンスドエアロシステムを採用していたことでも記憶される。カルロス・ゴーン(現日産会長)が「日産で最も好きな車」と話したという逸話がある名車だ。

 

1999_GT-R_BNR34_front-source

 

2002年8月に生産が終了された。2007年には「スカイラインGT-R」の後継モデルとも考えられる日産「GT-R」(R35型)がリリースされて、今日に至っている。

 

デビューから60年を迎えてなお、世界中のマーケットで現役を張り続けるスカイライン。そんなスカイラインをベースに、特別仕様のエンジン・駆動系と、それに対応した足回りを装備する「スカイラインGT-R」。今後はスカイラインの名の下に「GT-R」が復活するのだろうか? 世界中のファンが注目する日本の名車。それが「スカイラインGT-R」だ。

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