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ハンドルの概念が変わる。メルセデス・ベンツ新型「EQS」がステア・バイ・ワイヤで実現した“異次元の室内空間”と究極の快適性

メルセデス・ベンツ、新型「EQS」にドイツ車初のステア・バイ・ワイヤを採用

メルセデス・ベンツは、新型「EQS」にステアリング操作を電気信号で伝える「ステア・バイ・ワイヤ」技術を採用すると発表した。ドイツの自動車メーカーとして初めて量産車に導入されるこのシステムにより、運転時の操作にかかる力を大幅に軽減させ、ステアリングの持ち替えを不要にする。市場導入から数ヶ月後に選択可能となり、人とクルマの新たなインターフェースを切り拓いていく。

【画像13枚】ステア・バイ・ワイヤで走りと快適性が進化。全く新しい操作系を持つメルセデス・ベンツ新型「EQS」の全貌

物理的な繋がりをなくし、かつてない操作性と快適性を両立

新型EQSに搭載されるステア・バイ・ワイヤは、ドライバーのステアリング操作を電気信号に変換して前輪を動かす先進的なシステムである。これにより、ステアリングの操作に必要な力が大きく軽減され、日常的な取り回しや駐車時の操作がかつてないほど容易になる。さらに、状況に応じてステアリングのギア比が柔軟に変化するため、煩わしいハンドルの持ち替え操作そのものが不要となるのが大きな特徴だ。

また、路面の凹凸から伝わる不快な振動が直接手元に伝わらなくなるため、運転中の快適性が飛躍的に向上する。しかし、路面状況がまったく伝わらなくなるわけではない。タイヤと路面の接触状況をシステムが計算し、メルセデス・ベンツらしい正確で直感的なステアリングの反力を人工的に生成してドライバーの手に伝えることで、安心感のある自然なフィーリングを維持している。

異次元の室内空間をもたらす新形状のステアリングとエアバッグ

ステア・バイ・ワイヤの採用は、インテリアの印象も劇的に変化させる。新しいステアリングホイールは、よりフラットでコンパクトにデザインされている。これにより、メーターパネルの視認性が大幅に向上するだけでなく、空間が著しく開放されて乗降性も大きく改善される。同社がブランドの象徴として掲げる「Welcome Home(おかえりなさい)」という心地よい感覚を、車内に乗り込んだ瞬間から体感できる仕上がりとなっている。

この特殊な形状のステアリングを採用するにあたり、メルセデス・ベンツはエアバッグの構造も新開発している。従来のように閉じた円形の枠でエアバッグを支えることができないため、内部に特殊な支持構造と折りたたみ機構を持たせたのだ。ガスの流れや展開時の形状を緻密に制御することで、上部の枠がなくても指定の位置に安定して展開し、従来と変わらない極めて高い乗員保護性能を発揮する。

100万kmのテストが裏付ける妥協なき安全性と走行性能

走りの面においても、これまで両立が難しかったスポーツ性能と快適性、そして直進安定性とコーナリング時の俊敏性を高い次元で融合させている。新型EQSでは、ステア・バイ・ワイヤが10度の切れ角を持つリアアクスルステアリング(後輪操舵)と完全に連動する。たとえば高速走行時には前輪と後輪が同じ方向に動くことで、圧倒的な安定感をもたらし、安全で余裕のあるドライビングを提供する。

このシステムの導入にあたり、同社はテストコースや公道で実に100万kmを超える過酷な試験を実施してきた。システムは信号経路を二重化することで、高い信頼性を確保している。さらに、万が一ステアリング機能が完全に失われるという極めて稀な事態が発生した場合でも、後輪操舵と横滑り防止装置(ESP)による各車輪の独立したブレーキ制御を活用し、車両の横方向の動きをコントロールできるバックアップ体制まで整えられている。なお、このシステムはすべてのモーター仕様で選択できるほか、オプションの代替として従来の電気機械式ステアリングも引き続き提供される。

【ル・ボラン編集部より】

ステア・バイ・ワイヤがもたらす「物理的接点の喪失」に対し、先行したレクサスRZは驚くほど明瞭な路面情報を伝え、「操る歓び」を再構築してみせた。対する新型EQSの手法は興味深い。メルセデスは同じ技術を「不快な振動の完全な遮断」や「異次元の空間の創出」という、ラグジュアリーの昇華へと全振りしてきたのだ。RZが走りの自然さを求めたのに対し、EQSは後輪操舵との連動で絶対的な安楽を体現する。同じ電子制御デバイスでありながら、両ブランドの哲学の違いが鮮明に表れている。

【画像13枚】ステア・バイ・ワイヤで走りと快適性が進化。全く新しい操作系を持つメルセデス・ベンツ新型「EQS」の全貌

※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
LE VOLANT web編集部

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