発売1ヶ月で1万1000台受注の大ヒット!
愛らしいシルエットの内に秘めた、熱き血統。「ホンダ・スーパーワン」は、新たな時代においても五感を刺激する「ホンダ・スピリット」の真髄を見事に体現している。次世代のファン・トゥ・ドライブを予感させる、その走りの真価に迫る。
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ホンダのスポーティEV「スーパーワン」が絶好調だ。5月の発売開始からひと月と待たず、6月9日現在で1万1000台のオーダーを受けているという。国のCEV補助金が130万円、加えて東京都のZEV補助金が60~100万円適用されるという追い風参考ではあるものの、実際に乗ってみればクルマ自体の魅力がしっかりあるからこその販売実績なのだと合点がいった。
1983年に発売され、ブルドッグの愛称で親しまれたシティターボIIの再来ともいわれるが、小さなボディにブリスターフェンダーが張り出し踏ん張りの効いたチョロQスタイルがカッコかわいい。サイズはベースとなる「N-ONE e:」より185mm長く、70mm高く、そして左右に50mmワイドトレッド化して100mm幅広いから登録車となる。ノーマル車のボンネットはフラットだが、無限からは元祖ブルドッグのパワーバルジのようなフォルムのエアロボンネットもリリースされている。
ギミック満載のスポーツモード
運転席に乗り込むとスポーツシートの幅は狭く、高さのあるサイドボルスターがしっかり腰を挟みこむ。横Gウェルカムという体勢にニヤリとしつつ、まずはドライブモードをノーマルのままゆっくりスタート。試乗会場のホテルから一般道までの小径はひどく荒れた路面で、足回りを固めた車両重量1090kgという軽量マシンは当然のようにゴンゴン突き上げられる。しかしまったく不快じゃない。むしろ愉快極まりない。
一般道で早速スポーツモードへ。アクティブサウンドコントロール(ASC)が8スピーカーのBOSEサウンドシステムで4気筒エンジンサウンドを奏で、7速DCTを模した仮想有段ステップシフトで引っ張りながら爽やかに加速する。中速域では突き上げも気にならず、日常使いも許容範囲の乗り心地だ。変速時のG変化もエンジンサウンドも自然でクルマの状態をすんなり感じることができる。
芦ノ湖スカイラインで最大出力が通常の47kWから70kWに引き上げられるブーストモードに入れると、すわV8か!? という邪悪な重低音の排気音が吠える。アホなのかと笑顔でツッコミながらこちらもアホになってアクセルを開けると、電気ならではのレスポンスのよさで一気に加速し、仮想レブリミットに当たった瞬間にフューエルカットを模したギミックでブレーキがかかる。改めまして、ホンダよ、お前はアホなのか(笑)。
超低重心ミッドシップが魅せる峠の走り
しかしなにしろ峠が楽しい。バッテリーを床下車両中央に配した超低重心ミッドシップだからスリリングなほどクルッと曲がる。軽ベースでどこまでいけるかと思ったが、そもそも軽にはオーバースペックなほどいいシャシーなんだろう。拡幅と同時に専用アルミ鍛造ロアアームや左右等剛性ドライブシャフトなども奢られ、スポーティなヨコハマ「アドバン・フレバ」にも負けずよく踏ん張る。
ブレーキもサイズアップされ、電動サーボのストロークも詰められて制動力は充分ながら、リアはドラムということもあってタッチは高級スポーツカーのようにカチッとはしていない。だがむしろそれもまたこれぞボーイズレーサーという感じがして楽しい。「フロントドライブだから大丈夫!」とばかりにコーナーに飛び込んでは、いい塩梅の弱アンダーで脱出経路を教えてくれる絶妙なステアリングに惚れ惚れした。
帰り道はワンペダルで停止までカバーするシティモードで楽々ドライブしながら、ずっとこんなアホでハッピーなEVを待っていた、と噛みしめていた。そしてこの全力の悪ふざけは、ホンダイズムであるM・M思想に基づいたマジメな低床・低重心パッケージが支えているのだと思うと、感動で鼻の奥がツーンとなるのだった。
【Specification】ホンダ・スーパーワン
■車両本体価格(税込)=3,390,200円
■全長×全幅×全高=3580×1575×1615mm
■ホイールベース=2520mm
■車両重量=1090kg
■モーター型式=MCF7/交流同期原動機
■総電力量=29.6kWh
■モーター最高出力=70kW(95)ps
■モーター最大トルク=162Nm
■一充電走行距離=274km
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:トーションバー/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ドラム
■タイヤ=前:185/55R15、後:185/55R15
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