LE VOLANT モデルカー俱楽部

内装の質感を高める「砂吹き」と効率的なパーツ塗装術。AMT製プラモ「2021ダッジ・チャージャーR/T」を作る・第3回【LE VOLANTモデルカー俱楽部】

同じ黒でも色調に変化をつけて、しかし無駄なく塗り分ける

AMT製1/25スケール・プラモデル「2021ダッジ・チャージャーR/T」を作っていこうという当連載、前回はボディの下塗り(サーフェイサー)から塗装までを公開したが、今回はインテリアやシャシーなどの細部パーツの塗装へ進んでみよう。

【画像46枚】手際よいパーツ処理と塗装のしかたを実際に見て学ぼう

塗装前のパーティングライン処理について

それではパーツの塗装に入る。今回は改めてパーティングライン(以降PL)の処理について考えてみた。ご存知のようにPLとは、プラスチックモデルを金型で成型した後にパーツに残る金型の継ぎ目のことである。

通常パーツの上下の中心部分に、細い凸線状で残っており、板状のパーツは周囲の角の部分にあるなど、一見判別が難しい場合がある。ボディに至っては複数の金型が組み合わせてあるので、開口部のフチ以外にも複雑にPLが残っていることが多い。さて、これにどう対処するか?

ボディに関してはこれが残っていると非常に目立つため完全に除去する必要があろうが、その他のパーツに関しては非常に悩むところだ。完成ミニカーを想像していただきたい。ボディは非常に綺麗に仕上がっていて、当然PLなど残ってはいないが、ボディ以外のパーツは、これが取り除かれないまま塗装されている場合が多い。

私としてはこれがどうも気になってならない。自分で作るのなら細部パーツまでPLは全て取り除きたいと思う。ところが実際は非常に手間のかかるのは事実である。ならば、どこまでやるか? 少なくとも完成後見えないところは、そのままでよしとする。または、「外側以外は見ない」ということに徹して市販ミニカーの様な仕上げにしてしまうか? これもこれでアリだと思う。

……とすると、この後は読み進むことは不要かもしれない。それでも私は、できるだけ全て取り除こうとすることが多い。見えないところまで取り除く。そうすると何となく達成感があって、少しでも残しておくと、後ろめたさのような感じがあるからだ。

ナイフや金属ヤスリを用意して、パーツのパーティングラインを取り除く。最後にペーパーヤスリやスポンジヤスリで仕上げると良い。

初心に戻ってその方法を考えてみた。まず、パーツのままでPLを取り除く。モールドが白や黒の場合はその判別が難しいので、一度グレーサーフェイサーを吹くとPLははっきり認識できるだろう。PLを取り除く工具はナイフやヤスリなどの一般的なもので十分だ。

ポイントとしては、PLがカドの部分にある場合は、カドを少しだけ面取りする感じ。平面の中央に峰のようにある場合はキッチリと平面を出す。円筒状の場合はPLを取り除いた跡が平面にならないように注意する。仕上げには私は800~1000番程度のスポンジペーパーを使っている。

下処理が済んだら一気に塗装

それでは下処理の終わったパーツを塗装していく。私は全てのパーツを大まかに、ブラック、シルバー、その他(インテリア関係など)などと塗料の色にまとめてエアブラシで塗装する。できればエアブラシはソリッドカラーとメタリックカラーのそれぞれ専用に(2本)用意すると、メタリック粒子の残りの混入を防げる。

まずブラックに塗るパーツを全て隠ぺい力の高いアクセルSのグロスブラックに塗る。その後セミグロスブラック(C92)、フラットブラック(C33)に分けて、グロスブラックの上から塗った。こうするとセミグロスブラック、フラットブラックは少量吹くだけで十分だ。

次にシルバー(C8)、ガンメタ(C28)などのメタリック色を塗る。塗り分けが必要な場合は、マスキングのしやすさを優先してどちらの色を先に塗るか考える。例えば今回のエキゾーストパイプのように、パイプにマフラーが一体にモールドされている場合は、パイプのガンメタを先に塗って、パイプ部分をマスキングしてシルバーを塗ると、マスキングが楽だ。

メタリックに塗るパーツは、まず全体にアクセルのシルバーを塗ってから調整した。エンジンは落ち着いたプリビアスシルバー、エキパイやブレーキディスクはガンメタに。ホイールは光沢のあるメッキ調シルバーにしてみた(後に修正)。

インテリア系は今回ブラックだが、セミグロスブラック一色では変化がないので、あらかじめ用意した4色の濃いグレーを使用することとした。シート、ドアトリム、ダッシュボードなど、マスキングのしやすさを考慮して塗り分けた。シート中央部分はファブリックの感じを出すために砂吹きしている。通常はシートの中央部分をマスクする方がマスキングは楽だが、砂吹きするために全体を塗った後、周囲をマスクした(ザラついた表面にはマスキングテープが密着しにくいため)。

その砂吹きだが、塗料の希釈をやや濃い目にして、被塗装物から少し距離を離しシュ、シュと少しずつ塗料を粗く乗せるように吹く。こうすると表面にツヤのないザラザラの質感が出せる。これを砂吹きと呼ぶ。実はこの方法を応用すると、グロス塗料でもツヤ消し剤を使わずに、ツヤの程度をセミグロスから完全フラットまで調整することができる。

このようにパーツの塗装が終了した。次回は、この後の筆による色さしでパーツを完成させ、ボディの研磨と組み立てを行い完成までもっていこう。

【画像46枚】手際よいパーツ処理と塗装のしかたを実際に見て学ぼう

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作例制作・文章・写真:畔蒜幸雄
畔蒜幸雄

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