キャデラック、至高のEV「セレスティック」のワンオフモデル「Night Test」を発表
ゼネラルモーターズは2026年8月12日、キャデラックブランドの高級EVであるセレスティックに特別仕様の「Night Test(ナイトテスト)」を追加した。誰も見ていない静寂の中で己のパフォーマンスを磨き上げる、アスリートや音楽家の姿からインスピレーションを得たというこのモデルは、過剰な演出を排したストイックな仕上がりが特徴だ。実車は、毎年8月に米カリフォルニア州で開催されるモントレー・カー・ウィーク内のコンクールイベント「ザ・クエイル、ア・モータースポーツ・ギャザリング」にて初公開される。
【画像6枚】職人が手作業で生み出した唯一無二の存在。世界に1台の特注キャデラック「Night Test」をギャラリーで見る
孤独な鍛錬から着想を得たストイックなコンセプト
キャデラックが新たに発表したセレスティック「Night Test」は、世界最高峰のパフォーマンスが披露される前の、人知れず行われる秘密の準備期間を表現したモデルである。歴史に名を刻むチャンピオンや一流の表現者は、群衆の歓声から遠く離れた静寂の中で、何千時間にも及ぶ血の滲むような修練を重ねている。
このクルマは、肉体と精神の準備に全精力を注ぐ孤独なアスリートや、周囲の雑音を遮断して練習に没頭する音楽家の姿を具現化している。暗闇の中で完璧な精度を求めて黙々と最適化を繰り返すような、極限まで集中力を高めたミッションが、このモデルの根底に流れるテーマとなっているのだ。
暗闇に溶け込むようなダークトーンのエクステリア
過剰な演出を削ぎ落としたコンセプトは、車両のエクステリアデザインに色濃く反映されている。ボディカラーには「カスピア・メタリック」と呼ばれる深みのある塗装が施され、ひたむきに完璧さを追求する孤独な時間を視覚的に表現している。
足元を引き締める23インチのホイールにはダークフィニッシュが採用され、静かに、しかし確実にスピードを上げていく様を連想させる。さらにフロントマスクでは、ジェード・ライティング・ベゼルがヘッドランプをステルス性の高いダークな色調で縁取っている。光を反射させるのではなく、周囲に拡散させることで、このモデルならではの密やかな存在感を際立たせているのである。
精密機器を思わせるミニマリズムを貫いた室内空間
エクステリアで表現された目的志向のミニマリズムは、インテリアの空間作りにおいても徹底して貫かれている。車内に足を踏み入れると、バッケン・ブラックとシアー・グレーという落ち着いた色調のレザーシートが乗員を迎えてくれる。
そこにカーボンファイバー製のアクセントパーツや、鈍い光を放つブラッシュドメタルのディテールが組み合わされることで、車内はまるで精巧に作られた精密機器のような雰囲気を醸し出している。華美な装飾を排し、張り詰めた規律を感じさせる空間に仕上がっているのだ。
熟練の職人が手作業で生み出した唯一無二の存在
この「Night Test」は、他のすべてのセレスティックと同様に、ミシガン州ウォーレンに拠点を置くキャデラック・アルティザン・センターにおいて熟練の職人たちの手によって組み立てられた。個別に厳選されたカラーや素材、そしてこだわりの仕上げ材を用いた完全な特注車両である。
視覚だけでなく触覚に至るまで、すべての要素が計算し尽くされたこのワン・オブ・ワン(世界に一台)のモデルは、特別なオーダーメイド車両がいかにして比類のない世界観を構築できるかを証明している。キャデラックの先進技術とパーソナライズの究極の形であるこの特別なセレスティックは、「ザ・クエイル、ア・モータースポーツ・ギャザリング」の舞台で、ついにその全貌を現すことになる。
【ル・ボラン編集部より】
かつてのキャデラックといえば、クロームメッキの輝きやテールフィンに象徴される「富の誇示」こそがアメリカンラグジュアリーの典型であった。しかし、最高峰のビスポークEVであるセレスティック「Night Test」は、その対極にあるダークトーンとミニマリズムで空間を構成している。これは過剰な装飾に頼らずとも、EVならではの圧倒的な静粛性と知的なパフォーマンスのみで勝負できるというブランドの自信の表れだろう。静けさの中に研ぎ澄まされた凄みを秘めるその姿は、大排気量V8の咆哮とは異なる、新たな時代のアメリカン・フラッグシップのひとつの到達点である。
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