コンパクトボディに最新技術をフル搭載
日本導入から1年未満のうちに約1万台を受注し、いまだバックオーダーを抱える人気のポロに新開発ガソリンエンジン搭載の新グレードが追加。ひとつ上をいく走りと装備をチェックしてみよう。
フルモデルチェンジを経て昨春に国内導入された、フォルクスワーゲンきっての人気コンパクトである「ポロ」。2L直噴ターボのGTIを除いて、ここまで1L 3気筒の直噴エンジンだけでまかなってきたラインアップに、新開発となる1.5L TSIエボを搭載した新グレード「TSI Rライン」が投入されたのだ。
最大のトピックは、「Evo(エボ)」を名乗る新しい直列4気筒の過給ユニットで、350バールの高圧直噴に気筒休止システムを搭載するなど、フォルクスワーゲンが誇る省燃費・低排出ガス化技術をフル搭載だ。最高出力150psと最大トルク250Nmは、上位モデルにあたるパサートらが積む1.4L TSIエンジンと同スペックとはいえ、車重約1.2トンの軽量ボディと7速DCTとのマッチングがもたらす動力性能は、予想を裏切らない活発さを見せる。
前後スポイラーやサイドスカートといった、Rライン専用のエアロを纏ったエクステリアに負けじと、スポーティな味つけのサスペンションと電子制御式デフロック「XDS」を標準搭載し、エンジンのレスポンスや変速スピード、ダンパーの特性を任意で選べる走行モード機能を備えたプロフィールは、もはや最上級グレードのGTIに匹敵する充実ぶり。
標準装着する215/45扁平17インチのタイヤが多少のピッチを拾うけれど、定評ある絶妙なパッケージングとスッキリ軽快なハンドリングは、そんな些細なネガ要素を補って余りあるものだ。
ホットハッチのGTIならずとも、このスポーティグレードなら、日常の通勤や買い物のパートナーとしてはもちろん、時にはGTカーのようにロングツーリングに連れ出し、ワインディングで振り回してみるのも悪くないだろう。守備範囲の広いユーティリティプレーヤーとして、ご家族のファーストカーにオススメしたい。