得たノウハウは市販技術への活用も
12月5日、日産は追浜工場に自動車両牽引システム「Intelligent Vehicle Towing(IVT)」を導入することを発表した。IVTは、工場でラインオフした車両を積載したトロリーを、日産リーフをベースにした自律走行牽引車両によって指定の地点まで自動輸送するシステム。IVTでは牽引車両が車載のカメラやレーダーで地図データと照合しながら自律走行するため、従来の輸送システムで必要とされていた誘導のためのレールや磁気ベルトなどが不要になる。
自動運転の牽引車両は、各車両の位置、走行速度、バッテリーの残量などの情報をモニタリングする交通管制システムで集中管理され、無人牽引者同士が交差点で遭遇した際は自動的に優先順位が決定される仕組み。また、緊急時には遠隔操作で車両を停止させることもできるという。これにより、工場の生産ラインの終点から専用の埠頭まで完成車両を搬送するドライバーが不要になり、生産効率の向上が期待できる。
システムはすでに1年前から1600回以上のテスト運用が行われ、悪天候や暗がりの中でも安全に運行できることが確認されているとのこと。日産では追浜工場への導入によってより現実的な運用試験を重ね、国内外のほかの工場への導入の可能性を検討していく予定だとしている。