試乗記

単なる改良にとどまらない、トヨタ・アルファード/ヴェルファイアが走りと安全装備を大幅強化

フラッグシップミニバンという新ジャンルを開拓し、国内ライバル勢を抑えてマーケットを牽引してきたトヨタのアル/ヴェル兄弟がマイナーチェンジ。

従来からの精悍なキャラクターを磨き上げるとともに、先進の運転支援技術を大幅にアップデートしてきた!

内外装の高級感をアップ、機能装備もプレミアム級
 VIPの送迎シャトルに使われるなど、ミニバン=ファミリーという概念を覆したトヨタのフラッグシップミニバンである、アルファード/ヴェルファイア兄弟にマイナーチェンジが施された。

 外装ではフロントグリルやバンパー、LEDヘッドライト等に手を加え、アルファードは筋肉質な、ヴェルファイアは精悍なイメージを高めるとともに、リアセクションも意匠変更して両モデルの個性を際立たせたとのこと。内装ではシート表皮やウッドパネル、メーター加飾の変更で高級感を演出するなど、まさにユーザー層と市場の要求に応えた改良といえる。

 機能装備の面では、ミリ派レーダーと単眼カメラ等のセンサーを使った、同社自慢の予防安全パッケージ「トヨタ・セーフィティ・センス」を全車標準装備とし、前車追従式オートクルーズ作動時の車線逸脱を抑制するべく、ステアリングにアシスト機能が加えられるなど、先進運転支援技術の面でも欧州プレミアム勢に匹敵するレベルまで引き上げてきた。

 搭載パワートレインでは、ハイブリッドと2.5リッター直4+CVTはキャリーオーバーとなるが、主要部品を一新した3.5リッターV6のD-4Sユニットと8速ATの組み合わせがトピック。出力/トルクともに増強され、燃費はともかく2トン超のボディを悠然と走らせるキャラには最適といえる。

 しかも、構造用接着剤の拡大適用で剛性をアップさせたボディと減衰特性を改善したダンパーとの相性も良好で、高速走行やコーナリング時の姿勢変化が従来よりも抑制され、通常走行での静粛性や快適性も向上したように感じた。
 ともあれ、ドライビングプレジャー重視派にも嬉しい進化ぶりだが、エグゼクティブラウンジ仕様の2列目シートを目標に、功成り名を遂げる努力に勤しむのも悪くない生き方かな?

【Specification】トヨタ・ヴェルファイアZG■全長×全幅×全高=4935×1850×1935mm■ホイールベース=3000mm■車両重量=2090kg■エンジン種類/排気量=V6DOHC24V/3456cc■最高出力=301ps(221kW)/6600rpm■最大トルク=361Nm(36.8kgm)/4600-4700rpm■トランスミッション=8速AT■サスペンション(F:R)=ストラット:Wウィッシュボーン■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=235/50R18:235/50R18■車両本体価格(税込)=4,947,480円■トヨタ自動車 https://toyota.jp/

 

フォト:菊池貴之 T.Kikuchi

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