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【国内試乗】「BMW X5」プレミアムSUVの代表格に新世代テクノロジーをフル投入

狙ったラインは外さない優れたトラクション性能

大柄で重量級のボディながら、新型X5の走りはまるでFRスポーツセダンのように軽快。静粛性や乗り心地も高級サルーン並みに優秀だ。

ドライバー正面には、12.3インチのフルデジタル・メーターパネルを装備。ダッシュボード中央にも同じく12.3インチの大型コントロール・ディスプレイが備わる。インフォテインメント・システムには最新世代のBMWオペレーティング・システム7.0を採用して、必要な情報を適切なタイミングでドライバーに伝えてくれるほか、表示メニューは任意でカスタマイズも可能だ。音声コントロールやジェスチャーコントロールにも対応する、この最新世代BMWライブコクピットも、ニューX5の先進的な印象を強調している。もちろん使い勝手にも優れている。

クリスタル製のセレクターレバーやiDriveコントローラーなどはオプションで選べる。

ドライバーズシートは、たっぷりしたサイズながらサポート性に優れている。ポジションは高めだが、ステアリングのチルト&テレスコピック機能は可動範囲が大きく、適切なドライビングポジションを取ることができる。ボンネットの見切りが良いので、車両感覚も掴みやすい。
走り出して最初に感じたのは、とにかくスムーズであることだ。試乗車はオプションの21インチMライト・アロイホイール装着車だったのだが、フロントのダブルウィッシュボーン、リアのインテグラルアーム式5リンクのサスペンションは、荒れた路面でも見事に入力をいなし、バタつくことなく抜群のトラクションを発揮。コーナーに向かってステアリングを切り込めば、狙った通りの走行ラインを正確にトレースすることができる。最新世代のインテリジェントなxDriveのおかげで、まるでFRスポーツセダンのような素直なハンドリングが楽しめるのである。

メーターパネルは12.3インチのフルデジタルで、中央にナビ画面も表示可能だ。

265psと620Nmを発揮する3L直6ディーゼルターボは、右脚を少し踏み込むだけでモリモリと大トルクを発生させ、約2.2トンの車重をまったく感じさせない軽快な加速を披露。8速スポーツATとのマッチングも見事で、常に適切なギアを瞬時に選択し、変速も俊敏でスムーズだ。
BMWブランドに相応しいダイナミックでスポーティな走りと、ラグジュアリーで上質な仕立てを兼ね備えたニューX5は、これまでと変わらず、世界のSUVカテゴリーのベンチマークとして君臨することになりそうだ。

リポート:竹花寿実/T.Takehana フォト:宮門秀行/H.Miyakado ル・ボラン2019年6月号より転載
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