オフロードはもちろんオンロードでもカッコいいジムニーを目指す
JB64と比べると、JB74は排気量の余裕があることから、生粋のオフローダーのみならず、タウンユースがメインというオーナーからも高い人気を博している。
とはいえ、そのスペックはやはりオフローダーそのもの。ピストンウィライズは、そんなJB74のキャラクターを、卓越した技術で大幅にカスタマイズ。ノーマルが持つ優等生的なスタイリングは一新。荒々しいたたずまいのクルマへと生まれ変わった。
「オフロードはもちろん、オンロードにおいても誰もがカッコいいと思えるようなクルマを目指しました」とは同店の高橋代表。その言葉どおり、足まわりのカスタムにとどまらず、エクステリアやインテリア、オーディオ等、考えうるすべての箇所に手を加えている。
注目のアイテムはやはり足まわり。JB23でのノウハウをさらに熟成、進化させたオリジナルのピストンワークススプリング(3インチ)にビルシュタインショックを組み合わせ、オフロードでの走破性、さらにはオンロードにおける操安性をアップ。また、ビルシュタインのステアリングダンパーを装備することでドライバビリティも大幅に向上している。
ホイールは16インチにアップ。これにより車体サイズがひと回り大きくなったかのような印象となった。ワンオフの2本出しエキゾーストが奏でる重低音は、まるで大型車と錯覚させるほどの迫力だ。
前後バンパーは定番スタイルのオリジナルチューブタイプだが、ボディ形状に合わせてチューブにカーブを持たせるなど、より立体的なスタイリングに仕上げている。
エクステリアをワイルドに仕上げつつ、レザー調のシートカバーや、スピーカーにKICKERを採用するなど(デッドニング済み)、インテリアのカスタムも抜かりはない。
オーディオチューンは奥深い、気分が上がるクルマ作り
ウィライズの高橋氏は、積極的にダートレースにエントリー。グアムのスモーキンホイールなどでリザルトを残すなど、ジムニー界屈指のドライバーでもある。そんな高橋氏が今回持ち込んだJB74だが、走りメインのクルマを期待していた筆者からすると、肩透かしを食らった印象。
ルックスはハイリフトのファット仕様。オフテイスト溢れるルックスで、仕上がりは超キレイ。現場に着くと開口一番、「今回のクルマ、ハードな走りは必要ないですよ。というより、オーディオをチェックしてください」とのこと。えっ? インプレッションはオーディオ?
カロッツェリアの8インチナビをヘッドユニットにし、ドア周りはデッドニングを施し、トリムのビビリ音は皆無。フロントスピーカーはKICKERの2ウェイを装備。ドア上部にツイーターを追加し、セッティング。かなりの大音量で音割れがなく、クリアなサウンドを実現。
オンロードのインプレ中に聞いてみたのだが、かなりご機嫌。テンションが上がるサウンドに快適な車内。リラックスして乗れるだけでなく、程よい手応えとニュートラルな走りが心地よい。自然とあがるペースに、応えるサスペンションがいい感じ。
今回のクルマは必要ないと言っていたが、ちょっとだけオフも走らせてみた。スタビ装着車なので、ストロークは期待できないが、タイヤが地面を蹴る感触が分かりやすく、ビルシュタインの衝撃吸収性の高さもあり、実際に走らせた場合、かなりのポテンシャルを持っているのが想像できる。
235/75R16という馴染みのないタイヤサイズだが、ルックス的にも走りの上でもなかなか使えるサイズという印象。未だ定番というスタイルが確立していないJB74だが、これは新たなスタンダードとなり得る仕様と言えるだろう。
SHOP’s VOICE
当店は見て、乗って楽しめるクルマ作りを心がけております。街乗りからハードなクロカンまで、それぞれの使い方、好みに合わせたカスタマイズを提案し、お客様の想いをカタチにするお手伝いをしたいと思っております。
TUNER’s VOICE 高橋Kenzyさん
今回のクルマは、新たなジムニーとの付き合い方の提案です。今まであまりなかったオーディオでのチューニングで快適な車内を演出。ルックスは外から見たチューニング、車内はオーナーのためのチューニングです。
【装着パーツリスト】