ニューモデル

20台限定の特別な「ブガッティ・シロン・スポーツ」は黎明期の航空機がテーマに!

「ブガッティ・シロン・スポーツ」の限定車は「空の伝説」にオマージュを捧げる、その名も「レ・レジェンド・デュ・シエル」

ブガッティ・オートモビルズはこのほど、「シロン・スポーツ」をベースにした20台の限定車「Les Légendes du Ciel(レ・レジェンド・デュ・シエル)」を発表した。予定販売価格は288万ユーロ(約3億6000万円)で、生産は2020年末から始まる。

「レ・レジェンド・デュ・シエル」は「空の伝説」という意味。1920年代から1930年代にかけてブガッティで活躍したレーシングドライバー、アルベルド・ディーヴォ、ロベール・ブノワ、バルトロメオ・コンスタンティー二は、もともとフランス空軍所属のパイロットだった。彼らへのオマージュとして製作されたのが、この限定モデルだ。

ブガッティの創設者エットーレ・ブガッティは、パイロットのスピードを恐れない性格と技術的専門知識を賞賛し、それをマスターした。ブガッティのレーシングドライバーは、航空機で得た経験をカーレースに役立てた。反対に彼らは、航空機のように機敏で軽量、そしてスピーディなブガッティ車に魅了され、エットーレを賞賛。地中海横断飛行に初めて成功した伝説の飛行家であるローラン・ギャロスも、エットーレのことを「鋼鉄に命を与えることのできる比類なき芸術家」と呼んだほどだ。

エットーレは常に航空機からインスピレーションを受けており、1915年頃には自ら航空機のエンジンを設計。1937年からは速度記録の更新を目的とした航空機を開発したものの、第二次大戦によって中止を余儀なくされた。そんなエットーレは、生涯を通じてパイロットと密接な関係を続けていたという。

そんな背景から生み出されたこの限定モデルは、ボディカラーに1920年代の航空機のカラーを現代的に解釈した特別なマットグレー「グリ・サーペント」を採用。ボディの中央にはグロスホワイトのストライプが走り、コントラストを生み出している。

ブガッティ車を象徴する馬蹄形のフロントグリルはグロスブラック仕上げで、縦基調のグリルメッシュはレーザーカットされたアルミを用いている。

フロントフェンダーには専用ロゴが入り、カーボンファイバー製のサイドシルにはフレンチトリコロールカラーがあしらわれている。ドアを開けるとエントリーライトが路面に専用ロゴを投影。ドアシルは艶消しのアルミニウム製だ。

ライトブラウンのガウチョレザーを用いたインテリアは、昔の航空機を彷彿とさせるもので、シートの縦基調デザインのステッチはフロントグリルのメッシュと共通イメージとなっている。

ドアトリムには「ブガッティ・タイプ13」と戦闘機「ニューポール17」が描かれ、ヘッドレストには専用ロゴを表示。タイプ13は1910年から製造されたブガッティの名が最初に付いたモデルで、軽量設計の採用によって高い俊敏性を備えており、最高速は100km/hに届いた。その年の多くのレースで勝利を収め、ブガッティのレースでの成功の基礎を築いた。一方「ニューポール17」は、1916年から製造されたフランスのシングルシーター複葉機(主翼が2枚以上ある飛行機)で、130psを発揮する9気筒エンジンを搭載。信頼性や俊敏製、機動性、そしてスピードに優れていたため、空軍パイロットから確かな支持を受けた機体だ。

センターコンソールトレイには、フロントウイングと同様にモデル名のロゴが表示され、シリアルナンバーを表示したアルミニウムインレイが取り付けられている。なお、前世紀の航空機にあったように上空を見渡すことができるガラスルーフ「スカイビュー」を、オプションで設定している。

なお、パワートレインはベース車のシロン・スポーツと同様に、1500ps/1600Nmを発揮する8L W型16気筒クワッドターボと7速DCTを搭載。0-100km/h加速タイムは2.4秒、0-200km/h加速は6.1秒をマーク。最高速は420km/hでリミッターが作動する。

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