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今一番熱い自動車ジャンル!? コンパクトクーペSUVの「アルカナ」「T-ROC」「イヴォーク」を徹底比較!

クーペSUVのパイオニア的存在

大胆かつスタイリッシュなデザインながら、ランドローバーならではのオフロード性能も備え安定した走りを実現。エンジンタイプは今回のPHEVが加わったことでガソリン2種類、ディーゼルの4種類、全16機種を展開。

このセグメントのクーペSUV市場を開拓した存在と言えば、ランドローバー・レンジローバー・イヴォークだ。試乗車は2022年モデルで追加されたばかりのPHEV版である。

改めて感心させられたのが、そのデザインの訴求力の高さだ。衝撃的だった初代に対して、この2世代目はちょっとマイルドになった気もしていたが、それはモダンな感覚と言い換えることもできる。全長4380mmで、これだけ存在感あるクルマはそうはない。

内装も文句なしに上質だし、そこにフルデジタルメーター、デュアルタッチスクリーンシステムが加わって、いかにも先進的でもある。しかも、そのデザインやサイズから想像するよりも後席はずっと広いし、継ぎ目のない大面積のガラスを使ったパノラミックルーフのおかげで開放感も抜群なのだ。

3気筒1.5Lガソリンエンジンと電動モーターをシームレスに切り替え、システム最高出力309psを発揮。ハイブリッドまたはEVモードで走行し、200Vの普通充電により自宅や目的地で充電可能。

PHEVシステムを構成するのは前輪を駆動する直列3気筒1.5Lターボエンジンと、リアアクスルに搭載された電気モーターで、システム最高出力は309ps、最大トルクは540Nmに達する。フロア下に搭載されるバッテリーの容量は15kWhで、EV航続距離は最長64kmとなる。

充電状態に余裕があれば、走行は電気モーターで行なわれる。この時も静かで滑らか、そして十分に力強いのだが、内燃エンジンと併用しての走行でも、まったくガッカリ感がないのが見事なところだ。エンジン始動に気づかないわけではないが、3気筒ということを忘れるくらい、振動も騒音もうまく閉じ込められている。

エンジン回転数が常に低めに抑えられているのも静粛性に効いている。それでも、強力なモーターアシストのおかげで走りはパワフル。踏めばグイッと盛り上がる感じが頼もしい。

サスペンションはソフトな味付けで、乗り心地はゆったり。それでいて速度が高まっていくとピタッと引き締まってきて、特にコーナーでは操舵に対して間髪入れずに向きを変える軽快感を味わわせてくれるのが面白い。ときに車重を意識させられる瞬間もあるが、総じて質の高いフットワークを堪能することができるのだ。

この3台、一同に集めてはみたものの、あまりに個性が異なるだけに単純に優劣をつけるのは難しい。そもそもクーペSUVは単なる実用の道具としてのクルマではなく、言わば嗜好品のようなもの。よって好きな1台を選べばいいというのが、ありきたりながら結論となる。

スタイリッシュなクーペスタイルだが、広々としたラゲッジルームを用意する。通常モードでの積載量はアルカナが480L、T-ROCが445L、イヴォークが472Lを確保。

一応、個人的な好みを言っておくならば、イヴォークはスタイリング、先進感、走りの良さ等々、今どきクーペSUVに求めるすべてを揃えた1台だと感じた。しかし一方で、アルカナはその半額かと考えると、皆さんにオススメするならば、こちらだろうとも思う。皆さんにも、ああでもないこうでもないと大いに悩んで迷って、そんな時間すらも楽しんでいただければと願うばかりである。

【Specification】ランドローバー・イヴォークAUTOBIOGRAPHY PHEV
■全長×全幅×全高=4380×1905×1650mm
■ホイールベース=2680mm
■車両重量=2150kg
■エンジン種類/排気量=直3DOHC12V+ターボ/1498cc
■最高出力=200ps(147kW)/5500-6000rpm
■最大トルク=280Nm(28.5kg-m)/2000-4500rpm
■トランスミッション=8速AT
■モーター最高出力=F:54ps(40kW)/7000-8500rpm/R:108ps(80kW)/10,000rpm
■モーター最大トルク=F:63Nm(6.4kg-m)/5800rpm/R:260Nm(26.5kg-m)2500rpm
■サスペンション(F:R)=ストラット:インテグラルリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=235/60R18:235/60R18
■車両本体価格(税込)=9,390,000円
■問い合わせ先=ジャガーランドローバージャパン ☎0120-18-5568

ランドローバー・イヴォーク公式サイト

島下泰久

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