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テュフ認証取得「S&COMPANY」の実力。千原ジュニアのエコノライン&ムルティプラに見る“本物”のクラシックカー技術

大阪の「SCOMPANY」が国内5件目となるテュフ ラインランド クラシックカーガレージ認証を取得

大阪府守口市の「S&COMPANY」が、世界的な第三者検査機関「テュフ ラインランド」による厳格な「クラシックカーガレージ認証」を国内5件目として取得した。150項目以上の基準をクリアし、高い技術力と品質が証明された。ショップ選びの新たな基準となる同認証の意義とは。また、審査対象となった千原ジュニアさん所有のフォード・エコノラインとフィアット・ムルティプラの、驚くべき内容にも迫る。

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クルマ好きなら知っておきたい“TÜV(テュフ)の信頼性

クルマに明るくない方は、TÜV Rheinland(テュフ ラインランド)と聞いてもピンと来ないかもしれない。しかしクルマ好きの間では、1872年にドイツで発足し、世界トップクラスの第三者検査機関として知られる“TÜV”は有名な存在だ。

第三者検査のエキスパートとして、人々の暮らしのあらゆる面で、品質、安全、環境、テクノロジーを支えているが、自動車の分野では本国ドイツでテュフ ラインランドが運転免許試験を行い、数か国で車検サービスを提供。そして、自動車メーカーや部品メーカー向けの欧州型式認証の技術機関としても活動している。

鈑金塗装工場向けの監査、認証サービスに加え、クラシックカーの評価、アジャスター業務、査定サービスも提供。テュフ ラインランドによる認証は、工場の品質レベルを証明する第三者検査機関の公平、公正な審査基準、認証として、世界各国で認められている。

オートアフターマーケットにおけるテュフ ラインランド認証もあり、日本でも鈑金塗装工場TÜV認証(プラチナ/ゴールド)、ガラスリペアショップTÜV認証、クラシックカーガレージTÜV認証、自動車用品販売店ワークショップTÜV認証、ロードサービスTÜV認証などが展開されている。

授与式開催、国内5番目の認証ファクトリーが大阪に誕生

すでにテュフ ラインランド クラシックカーガレージ認証を取得した工場が日本でも4つ稼働しており、同ファクトリーで仕上げられた価値ある旧車は事故時の損害をきっちり補償してもらえる保険に入れるなど、数多くのクルマ好きがその恩恵を受けている。

今回、大阪府守口市にある「S&COMPANY(エスアンドカンパニー)」が国内5件目としてクラシックカーガレージ認証を取得することになり、テュフ ラインランド ジャパン シニアセールスエグゼクティブの栗田氏からエスアンドカンパニーの鹿田代表に認定証を渡す授与式が実施された。

テュフ ラインランド ジャパン シニアセールスエグゼクティブの栗田氏(左)と、エスアンドカンパニーの鹿田代表(右)

栗田氏によると、テュフ ラインランド ジャパンの解釈では、オートアフターマーケットにおける「認定」は企業・団体が定める独自基準に基づき、第三者機関がその事実や資格を同じ基準で監査・確認することであり、「認証」は第三者機関が公の基準に基づき、その内容を確認し、証明することなのだという。

ドイツの自動車文化と、ショップ選びの「理想的な基準」

現在、世界中でクラシックカーブームが起きているが、自動車先進国のドイツでは、クラシックカーが産業遺産として認識されており、車齢15~30年がヤングタイマー、30年以上がオールドタイマーとして扱われている。ナンバーの末尾に旧車を意味する「H」マークがあると減税される仕組みになっており、日本とは異なる考え方だ。税金が優遇されるということは、自動車文化がしっかり構築されているとも解釈できるだろう。アフターセールスマーケットがクルマをクラシックカーに育てるとも言え、テュフ ラインランドが展開しているクラシックカーガレージ認証は、確実にその一助となっている。

レストモッドにも力を入れているエスアンドカンパニーの鹿田代表によると、飲食関係には“食べログ”があるが、クルマ業界にはそのようなものが存在しないため、ユーザーはどのショップを頼ったらいいのか分からない状況が続いてきたのだという。他者が書き込んだ口コミなどを見て、ショップの門を叩くしかなかったのだ。しかし、そのような感じでショップに飛び込むと、人もクルマも相性というものがあるため、難しい場合もある。そこで一つの理想的な基準となるのがテュフ ラインランド クラシックカーガレージ認証だと考え、取得するに至ったのだと話してくれた。

クラシックカーの「信頼できる工場」であることの証明

テュフ ラインランド クラシックカーガレージ認証は、クラシックカーの修理、整備などを行う工場に対する認証で、修理、整備の技術、品質、機器、設備に加え、ファクトリーの運営、管理、法令順守、ユーザー対応など、11カテゴリー/150項目以上の基準に基づき、監査を実施している。

今ちょうど自動車産業が変革期を迎え、電動化やコモディティ化が進む中、クラシックカーの注目度が世界的に上昇し、適切なレストアや整備を行う信頼できる工場が求められている。そのような状況の中でテュフ ラインランド クラシックカーガレージ認証の取得により、エスアンドカンパニーは確かなプロセスおよび環境下で高い品質レベルのレストア作業を実施できるファクトリーであることが第三者機関によって証明された。

審査対象は千原ジュニアの愛車。1965年式「フォード・エコノライン」

工場に対する認証で審査対象車となった1965年式フォード・エコノラインと、同じく1965年登録のフィアット・ムルティプラ(1959年までに生産された、マイナーチェンジ前モデルならではの特徴を有している)は、2台とも吉本興業所属タレント、千原ジュニアさんの愛車である。エスアンドカンパニーのスタッフによると、ジュニアさんとの付き合いは、もう30年以上になるのだという。

ジュニアさんがエスアンドカンパニーに相談し、アメリカのサウスダコタで見つけてもらったエコノラインは、クラブワゴン・グレードのキャンパー仕様で、芸人の後輩や友人たちとキャンプに行くために10数年前に購入したものだ。実際に使えないともったいないので、都内でも日常の足として難なく乗れる車中泊ミニバンにする作業が行われた。

パワステ、クーラー、ブレーキマスターバック無しではさすがにキツイので、電動パワステ、電動クーラーを装着。ブレーキマスターバックも追加された。ATは1990年代のエコノラインが積んでいたものに載せ替え、夏の渋滞にハマっても大丈夫なようにするエンジンの熱対策として、ラジエターのオーバーホール、サイドコンデンサーの移植、電動ファンの追加などを行った。その結果、きっちり走って、止まれるクルマが完成し、助手席で試乗させてもらったが、このクルマなら大阪から筆者の家がある東京まで自走で戻れるな、と思えた。

もう一台の愛車。家族5人で乗る「フィアット・ムルティプラ」のこだわり

ジュニアさんが家族5人での移動を楽しんでいるというフィアット・ムルティプラは、もともとタクシーだったので助手席が存在しない仕様だった。そこで内装をすべて分解して補修し、5人で楽しく走れるインテリアに仕上げている。

エンジンはフィアット850クーペのものをベースとして940ccまでボアアップされており、エコノラインと同じようにこちらも都内で走るため、エンジンの熱対策が大変だったそうだ(940ccで登録済)。街乗りを想定した中低速トルク重視のセッティングになっているが、高速道路では100~120km/hでクルージングできる快速ぶりを誇っているとのことだった。

ボディカラーは、ジュニアさんのリクエストで黄色味がある白と当時の純正色に存在した濃いめのグレーによるツートーンとし、塗装を剥離してオリジナルを活かしつつ直した車体にペイントした。

アメリカ車とフィアットのパーツは無いようにも思えるが、実は流通しているらしく、純正が手に入らなくてもリプロダクトされたものであれば用意できるのだという。しかし、使えないリプロ品は採用せず、最新式の部品も導入して対応しているそうだ。

* * *
今回の認証取得を機に、レストアサービス事業部は「S&COMPANY Classiche(エスアンドカンパニー クラシケ)」として、ユーザーが安心して愛車を預けられ、さまざまな要望に応えるファクトリーとして、その展開を加速させていくとのことである。

■S&COMPANY Classiche
エスアンドカンパニー レストアサービス事業部「クラシケ」
住所:大阪府守口市南寺方東通3-15-17
TEL:06-6992-0003
E-MAIL:info@s-company.jp
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜・祝日・年末年始

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。

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