国内試乗

【試乗】アリアとの違いは? 新型「日産リーフ」が280億kmの知見とCMF-EVで叶える、しなやかな「洗練の走り」

BEVとしての性能と利便性も大いに期待できる

国産EVのパイオニアである日産リーフが3代目へとモデルチェンジした。BEV専用プラットフォーム「CMF-EV」を採用し、SUV的なボディへと生まれ変わったエクステリアとともに、進化したパワートレインの走りを一般道でチェックしてみた。

【画像35枚】3代目へと進化した日産「リーフ」の内外装と機能&ユーティリティを徹底チェック!

全長は短縮しつつも広さを増した、高効率なクロスオーバースタイル

量産BEVのパイオニアといえるリーフがフルモデルチェンジを受けて3代目となった。クロスオーバーのファストバックスタイルとなって見た目のイメージは大きく変わり、立派になったようにも思えるが、ボディサイズは先代モデルとさほど変わりない。全長は4360mmで、むしろ先代よりも短いのだ。それでも居住性が良くなっているのは、BEV専用プラットフォーム「CMF-EV」を採用したことで空間効率が高まったこと、充電ポートがノーズ先端からボディサイドに移設されたことでフロントのオーバーハングが短くなったことによるものだ。

先代のハッチバックスタイルから、全高を1550㎜としSUVライクなスタイルになった3代目リーフ。室内スペースも拡大されている。

徹底的な熱マネジメントと空力性能がもたらす最大702kmの航続距離

BEVとしての機能は徹底的に磨き上げられている。モーターやインバーターの効率を高めるとともに、空調/バッテリー/パワートレインのすべての冷熱システムを統合して熱エネルギーを無駄なく活用。さらにファストバックスタイルで空力性能にもこだわることで、電費を大幅に改善して一充電走行距離は最大702kmにも達している。また、課題だった低温時の急速充電受け入れ能力に関しては、バッテリー事前暖機機能で改善。欧州や中国、韓国のBEVが急速に進化するなか、先代リーフのモデル末期は性能面で心許ない状況が続いていたが、これで世界トップレベルになった。

フロントに搭載されるモーターは最高出力160kW(218㎰)、最大トルク355Nmを発生。WLTCモードの最大航続距離は702㎞で、今回試乗したB7 Gでは685㎞。充電ポートは左右のフロントフェンダーに備わる。

その上でリーフには、初代発売から15年、累計走行距離280億kmという実績がある。そこで得た知見やフィードバックをもとに開発されているのが強みだ。

アリアとは一味違う? 一般道で際立つ「しなやかで上質な乗り心地」

すでにクローズドコースでプロトタイプへの試乗は済ませていたが、今回は初めての一般道試乗。もっとも関心を寄せていたのが乗り心地だったのだが、それは同じプラットフォームを採用するアリアが硬くて少々不快だったからだ。ところが新型リーフのサスペンションはしなやかで快適な乗り心地だった。アリアは、重くなりがちなBEVをあまり姿勢変化させないように考えられていたが、リーフではロールやピッチングをもう少し許容するような方向性にしたそうだ。それでもショックアブソーバーを適正化することで、ゆっくりとボディを動かす落ち着いた挙動になっているという。たしかに、ロール量は少なくなく、コーナー入り口では明確なダイアゴナルロール(フロント外側から沈み込む状態)だが、落ち着いた動きで安心感がある。しかも、硬すぎないことでマンホールや高速道路のジョイントなどを乗り越えたときの衝撃はマイルド。しなやかで上質な乗り心地になったのだ。唯一、タイトコーナー立ち上がりでアクセルを強く踏み込むとホイールスピンを誘発しがちなのが残念だが、これは電子制御で抑え込むことが可能だろう。

コックピットには12.3インチの大型デュアルディスプレイを搭載。インストゥルメントパネルのデザインもシンプルで、ダッシュボードやドアにはファブリック素材が採用された。

280億kmのデータとGoogle搭載が導く、洗練の走りと確かな安心感

モーター駆動の経験が豊富な日産はトルク制御が得意で滑らかな走りを実現していたが、新型リーフではさらに進化していた。モーターはローターを複数に分解して斜めにずらす構造を採用。モーター、インバーター、減速機を一体化した3 in 1パワートレインは剛性を向上。従来はエンジン車用の流用だったモーターマウント部を適正化。これらによって振動は微細なものまで抑制されて洗練された。滑らかで、まったく雑味のない走りを手に入れたのだ。

Google搭載の日産コネクトインフォテインメントシステムを搭載。アプリによって、事前にナビゲーションに共有し、乗車後スムーズに出発することも可能だ。

280億kmにおよぶ走行実績から得られたデータと、新たに搭載したGoogle Mapの最新情報から、電費やバッテリー残量を高精度に予測できるのがリーフの強みだ。カーナビに目的地を設定したときの航続可能距離の正確さ、なるべく出力の高い急速充電器に立ち寄る提案などでルート案内も最適化される。
新型リーフはBEVとしての性能もユーティリティも大いに期待できる。BEVの本格的な普及を後押しする存在になりそうだ。
【画像35枚】3代目へと進化した日産「リーフ」の内外装と機能&ユーティリティを徹底チェック!

【Specification】日産リーフB7 G

■車両本体価格(税込)=5,999,400円
■全長×全幅×全高=4360×1810×1550mm
■ホイールベース=2690mm
■車両重量=1920kg
■モーター型式=YM52交流同期原動機
■総電力量=70kWh
■モーター最高出力=160kW(218ps)/4400-11700rpm
■モーター最大トルク=355Nm(36.2kg-m)/0-4300rpm
■一充電走行距離=685km
■サスペンション形式=前:ストラット/コイル、後:マルチリンク/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤ=前:235/45R19、後:235/45R19

フォト=田村 弥/W.Tamura

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