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【試乗記】謎の「Vボタン」は何をもたらすか。史上最速EV「キャデラック・リリックV」の珠玉の完成度を解き明かす《LE VOLANT LAB》

キャデラック・リリックV
キャデラック・リリックV
キャデラック・リリックV

キャデラックが放つ史上最速の刺客。食わず嫌いを覆すハイパフォーマンスEVの真価

ゼネラルモーターズ・ジャパンは2026年3月25日、キャデラック初のEV「リリック」の高性能版となる「リリックV」を日本導入。20年以上の歴史を誇るパフォーマンス・サブブランド「Vシリーズ」において、初のフル電動SUVとなる記念碑的モデルだ。モータージャーナリストの渡辺慎太郎氏が、伝統の「V」がもたらす圧倒的なパフォーマンスと、同車が誇る珠玉の完成度を徹底レポートする。

【画像21枚】ブレンボ製ブレーキが物語る圧倒的パフォーマンス。リリックVの洗練されたエクステリア&インテリアの全貌をチェックする

馴染みが薄いからこそ知ってほしい。キャデラックが放つ傑作EVの実力

昨年試乗したEVの中で、個人的にはキャデラック・リリックが頭ひとつ抜けた珠玉の出来映えだったと思っている。それをひとりでも多くの人に伝えるべく、いろんなところで事あるごとに「リリック素晴らしい」と書いてきたのだけれど、自分の筆力の至らなさゆえか、いまだになかなか浸透していないようである。

「アメ車」「キャデラック」というのが、いまの日本人にとっては馴染みの薄い存在になってしまい、そもそもショッピングリストに入らないらしい。以前は、「右ハンドルがないから」というのが購入をためらう理由(あるいは言い訳)だったそうだが、リリックは右ハンドルである。実際のところ、ディーラーネットワークなど他にも要因はあるかもしれないが、それでリリックの存在が希薄になってしまうにはあまりにも惜しいほど、このクルマの完成度は高い。

そうこうしているうちに、リリックに新しい仕様が追加された。キャデラック・リリックVである。“V”は従来からキャデラックのスポーティな仕様にのみ与えられる記号で、リリックVにも動力性能と操縦性のパフォーマンスを引き上げる数々の専用セッティングが施されている。

キャデラック史上最速。646ps904Nmを発揮する驚異のパワートレイン

リリックは前後に駆動用モーターを配置した4WDの駆動形式を持っているが、リリックVではフロントモーターで+21kW/52Nm、リアモーターで+43kW/128Nm、それぞれパワーアップが図られており、最高出力は646ps、最大トルクは904Nmに達する。ノーマルのリリックでも522ps/610Nmという必要にして十分以上のパワーとトルクを有しているが、リリックVではさらに上乗せされて、0-96km/h(0-60mph)の加速は3.3秒。これはキャデラック史上最速だそうである。

パワートレインだけを強化しても、そのポテンシャルは存分に発揮できない。高速で走る車体を確実に減速させるため、ブレーキはブレンボ製に置き換えられており、サスペンションは専用のばねと連続可変式リアルタイムダンピングシステムのダンパーを備えている。

「ヴェロシティマックス」とは? 謎のVボタンが秘める多彩なセッティング

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フォト=郡 大二郎/D. Kori

AUTHOR

1966年東京生まれ。米国の大学を卒業後(株)立風書房に入社、ル・ボラン編集部に配属となる。後に転職してカーグラフィック編集記者、カーグラフィック編集長などを歴任。現在はフリーランスの自動車ジャーナリストとして活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。英国「The Guild of Motoring Writers」会員。

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