現代アートと融合した限定5台の「ブラック・バッジ・カリナン by シリル・コンゴ」が登場
ロールスロイス・モーター・カーズは2026年5月14日、現代アーティストのシリル・コンゴ氏とコラボレーションした特別仕様車「ブラック・バッジ・カリナン by シリル・コンゴ」を発表した。世界限定5台のこのビスポークモデルは、コンゴ氏の宇宙観である「コンゴバース」を車内外に表現している。ロールスロイスの職人とアーティストが直接タッグを組み、車体をキャンバスに見立てて命を吹き込んだ、前例のない芸術的な一台である。
【画像30枚】車内に描かれた壮大な小宇宙。現代アートと融合した限定5台の『ブラック・バッジ・カリナン』の全貌を見る
アートと熟練の技が交差する、前例のない共同製作
今回のプロジェクトの最大の特徴は、アーティストとロールスロイスのビスポーク部門による極めて密接な共同作業である。コンゴ氏は生産開始の半年前にグッドウッドの拠点に招かれ、デザイナーや熟練の職人たちと深く交流した。専用のワークスペースを与えられた同氏は、ブランドの豊富なペイントパレットを駆使し、伝統的な手法と自身のアイデアを融合させながら各パーツに手作業でアートを施していった。
この限定モデルは、ニューヨーク、ソウル、グッドウッドにあるブランドのプライベート・オフィスを通じて企画された。地域に根ざした専任チームのキュレーションにより、現代のコレクター文化を色濃く反映した作品として結実した。世界で5台のみ生産される車両は、共通のテーマを持ちながらも、それぞれ異なる手描きのアートワークを備えた唯一無二の仕上がりとなっている。
車内に広がる壮大な小宇宙「コンゴバース」
インテリアのハイライトは、コンゴ氏の独自の世界観が描かれたスターライト・ヘッドライナーである。光ファイバーによる夜空を背景に、想像上の惑星や星座、彼が魅了されている量子物理学の数式などが手描きされている。また、ロールスロイス初の試みとして、天井の全長にまたがる長い星のイルミネーションも採用された。
車内は黒を基調としながら4つのゾーンに分割され、運転席はフェニックス・レッド、助手席はトゥルケーゼ、後部座席はフォージ・イエローとマンダリンという鮮やかな色が配されている。ダッシュボードから後部座席にかけてのウッドパネルにはエアブラシによるアートワークが連続して描かれ、職人が10層のラッカー塗装と研磨を施すことで、芸術の深みと実用的な耐久性を両立させている。
ロールスロイス初となる斬新なエクステリアの試み
エクステリアも特別な仕立てとなっている。ボディカラーには、光の加減で青い粒子が輝く「ブルークリスタル・オーバー・ブラック」を採用した。側面を彩るコーチラインには、ブランド初となるグラデーションが施された。左側は赤から黄色へ、右側はオレンジから青緑へと色が変化し、コンゴ氏の「タグ」モチーフが組み込まれている。
足元の23インチホイールの奥にも斬新なアイデアが光る。外装のラインや内装色に合わせて、4輪すべてのブレーキキャリパーが異なる色で塗装されているのだ。これもロールスロイス初の試みである。2026年は、ブランドのもう一つの顔である「ブラック・バッジ」シリーズ誕生から10周年の節目にあたる。この特別なカリナンは、その記念すべき年を祝うにふさわしい圧倒的な存在感を放っている。
【ル・ボラン編集部より】
圧倒的な静寂と、躍動する現代アート。相反する二つの要素が、カリナンの車内で奇跡的な調和を見せている。ロールス・ロイスが誇る、外界と完全に隔離されたかのような徹底したNV(騒音・振動)対策による「無音の空間」こそが、コンゴ氏の描く鮮烈な宇宙を際立たせる究極のキャンバスなのだ。何層もラッカーを塗り重ねる伝統的な職人技と、前衛的な表現の共存。ブラック・バッジ誕生10周年の節目に、あえて反逆的なアートの文脈を取り入れた本作は、静と動が交錯する現代の最高級芸術品として歴史に名を刻むだろう。
【画像30枚】車内に描かれた壮大な小宇宙。現代アートと融合した限定5台の『ブラック・バッジ・カリナン』の全貌を見る
































