家族のためのオシャレで合理的なフレンチSUV
大幅なサイズアップを果たし、堂々たるミドルサイズSUVへと進化した新型プジョー5008。車重1740kgの巨体に搭載されるのは、なんと1.2Lマイルドハイブリッドだ。「この小さなエンジンで本当に走るのか?」という率直な疑問を胸に、自身もフランス車を愛用し、3児の母でもあるライターの竹井あきらさんが試乗。ガチのファミリーカーに潜む、フランス車らしい合理性と驚きの走りの真価をレポートする。
【画像20枚】21インチの大画面ディスプレイと上質なアルカンターラ内装。新型プジョー5008のディテールを写真で見る
大幅なサイズアップで手に入れた、力強い存在感とゆとりの空間
この春日本導入となった新型5008は、全長4810mm×全幅1895mm×全高1735mm、ホイールベースは2900mm。先代よりも170mm長く、55mm幅広く、85mm高くなり、ホイールベースは全長の伸長分からすると控えめながら60mm伸ばされた。5人乗りのSUV「3008」の派生車種ということだが、5008がここまで大きくなるとまず3008と悩む人は多くなさそうだけれど念のため3008と比較すると、全幅は同じで、245mm長く、70mm高く、ホイールベースは170mm伸ばされている。おかげでSUVらしく堂々とした力強いプロポーションとゆったりとした室内空間を得た。

運転席に乗り込むと、ダッシュボードの高い位置に横長台形の21インチパノラミックカーブドディスプレイが鎮座しているのに驚いたが、プジョー独自のi-Cockpitの流儀に倣って、異形小径ステアリングホイールの上からディスプレイが覗ける位置までシートを上げるといい感じに視界に収まる。ちょうどピアノが弾きやすい高さまで椅子を調整するのと同じような感じで、個人的には肩が自由に動かしやすいi-Cockpitは好きなのだけど、ヒップポイントの高さゆえ、見晴らしはいいが視界がトラックっぽくもある。
センスが光る上質キャビンと、子どもが喜ぶ「秘密基地」の3列目
この日試乗したのは「アルカンターラパッケージ」。3列7席すべてにアルカンターラ表皮が奢られた贅沢な仕様で、張りのある座り心地ながらしっとり感のある表皮のおかげでサポート力もあって運転もしやすい。リネンっぽいファブリックのインテリアトリムはすっきりとして、カジュアルかつセンスのよさがうれしい。明るいところではライムイエロー、暗いところではブルーに変わるアンビエントライトもまた、下品にならない節度がある。

運転席と助手席はドライブモードや空調のスイッチが並ぶシャープな造形のセンターコンソールに仕切られ、それぞれ独立した囲まれ感がある。2列目は3分割リクライニング可能な40:20:40の独立可倒式。リフターのような3座同じシートが独立したタイプではなく、前後に15cmのスライドも可能だがこちらは2:1分割だ。2列目用に独立した温度調節付きエアコン吹き出し口もあり、オープン時はすっきりとドアに収まるロールアップ式サンシェードも付いているから快適性も高い。

3列目へのアクセスは、2列目シートを一番前にスライドさせて背もたれを畳むか、座面ごと前に倒してしまうか。いずれにしてもあまり足場がいいとは言えないので、大柄な人やスカートやヒールを履いた人、お年寄りにはちょっとチャレンジング。3列目は元気な子どもたちに秘密基地気分で楽しんでもらいたい。
大きなボディに小さなエンジン!? 疑念を覆すフランス車らしい合理性
3008と同じくシャシーはSTLA-Mediumを用い、パワートレインは3気筒1.2L+48Vマイルドハイブリッドに6速e-DCSシステムが組み合わせられる。先代は1.6Lガソリンターボと2Lディーゼルが用意されていたから、ハイブリッドとはいえ1.2Lでホントに大丈夫なのか? 車両重量1740kgだぞ! といぶかしんだが、びっくりするほど大丈夫だった。