新型アウディRS 5に搭載される革新のPower PHEV
2026年6月末から欧州市場で販売される予定の新型アウディ「RS 5」。アウディスポーツ(Audi Sport)のRSモデルとして初めてプラグインハイブリッド(PHEV)を採用したこのハイパフォーマンスモデルは、最高レベルのパフォーマンスと国境を越えた共同開発を体現している。
【画像18枚】V6ツインターボ×モーターの衝撃! 新型「Audi RS 5」の心臓部はいかにして生まれたのか?

新型Audi RS 5の新しいパワートレインコンセプトの核となるのが、V6ツインターボエンジンと電動モーターの組み合わせだ。アウディスポーツの新しい「Power PHEV」は、RSパフォーマンスと電動化を見事に融合させ、技術的にも戦略的にも大きな一歩を踏み出した。
さらに、ダイナミクスの要となるのが新しい「ダイナミックトルクコントロール付quattro」だ。電気機械式トルクベクタリングによって後輪のパワーを正確に配分し、きわめて精密でダイナミックなドライビングエクスペリエンスを実現している。

ドイツとハンガリー、拠点をまたぐエンジン開発体制
この画期的なハイパフォーマンスV6エンジンの開発は、長年にわたって構築されてきた拠点をまたぐ開発体制の成果だ。実績のある原則に基づき、パワートレインの設計および検証はドイツ・ネッカーズルムのエンジン開発チームが担っている。そして量産試作フェーズが完了したのち、ハンガリーのジェールにあるアウディ ハンガリーが継続的なエンジニアリングおよび生産を引き継ぐという流れになっている。
この明確な役割分担が、効率性と信頼性を高めている。ネッカーズルムのアウディ拠点でエンジンメカニクス責任者を務めるサッシャ・スレバシック氏は、「Audi RS 5のようなハイパフォーマンスモデルの開発は、明確に構造化されたプロセスと、綿密に調整されたワークフローが不可欠です」と述べている。

信頼関係が技術に命を吹き込む
この国境を越えたプロジェクトの成功の鍵は、徹底した「人と人とのつながり」とプロセスにあった。節目となるタイミングごとに、進行中のプロジェクトに携わる両チームはネッカーズルムとジェールで交互に集まり、引き継ぎワークショップを実施する。そこで技術的な詳細を議論して課題解決を行うとともに、書面による記録と署名を伴う正式な引継ぎを行っている。

アウディ ハンガリーで技術開発プロジェクトコーディネーターを務めるリヒャルト・マイヤー氏によれば、長年の協力関係により「助けが必要なときには、誰に電話すればいいかが明確」だという。日常業務においては物理的な距離をほとんど意識することなく、安心感を持って開発が進められた。

こうした経験、国際的な対話、そしてパフォーマンスへの情熱の融合は、実際の車両のキャラクターに色濃く反映されている。スレバシック氏自らが新型Audi RS 5のステアリングを握り、「この車両は、乗る人を思わず笑顔にします。その感覚は言葉にできません。これは、自身で体験してわかるものです」と語るように、その仕上がりは絶対的な自信に満ちている。マイヤー氏も「私たちが共に創り上げ、世に送り出したAudi RS 5を誇りに思います」と語るなど、ただのテクノロジーの集合体を超え、開発者たちの誇りが詰まった新型Audi RS 5の走りに、今から大きな期待が高まる。
【ル・ボラン編集部より】
最新のPHEVシステムと電子制御を搭載する新型RS 5。その心臓部は一見すると冷徹なテクノロジーの集合体に思える。だが、重量増という物理の壁を知性でねじ伏せ、日常の静粛性と荒々しいまでのダイナミクスを両立させるアプローチは、まさにアウディが掲げる「技術による先進」の系譜だ。興味深いのは、この画期的なシステムが拠点間の濃密でアナログな対話によって練り上げられている点である。最先端技術の奥底に開発者の生々しい情熱が宿るからこそ、乗り手の感情を揺さぶるエモーショナルな走りが生まれるのだ。
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