メルセデス・ベンツ、新型高級EVミニバン「VLE」を発表。700km超の航続距離とセダンの快適性を両立
メルセデス・ベンツは2026年6月19日、新型の完全電気自動車「VLE」の生産をスタートしたと発表した。ミニバンならではの広大な室内空間と、プレミアムセダンのような俊敏性や走行快適性を高次元で融合させた、同社初となる「グランドリムジン」である。1回の充電での航続距離は700km以上を誇り、15分の急速充電で355km分の走行が可能という高い実用性を備えている。ファミリーユースからVIPの送迎まで、多様なライフスタイルに対応する次世代モビリティの姿を紹介する。
【画像85枚】まさに走る高級ラウンジ。セダンの走りとミニバンの利便性を融合した新型EV「VLE」を写真で網羅
セダンの走りとミニバンの利便性を融合した全く新しいジャンル
新型VLEは、メルセデス・ベンツが独自のセグメントとして創出した新しいモデルだ。流線型の低いシルエットにより、空気抵抗係数(Cd値)は0.25という優れた数値を達成している。全長5309mmのボディに最大8人が快適に乗車できる3列シートを備える。さらに2027年には、より広い室内空間を確保した全長5484mmのロングバージョンの追加も予定されている。
大柄なボディサイズにもかかわらず、都市部での取り回しは極めて良好である。最大7度まで操舵できるリアアクスルステアリングを搭載し、最小回転半径をコンパクトカー並みの5.45mに抑え込んだ。また、路面状況や速度に応じて車高を自動調整するAIRMATICエアサスペンションを採用しており、段差を滑らかに吸収することで、本物の高級セダンのような極上の乗り心地を提供する。
長距離ドライブの不安を払拭する圧倒的な航続距離と充電性能
電気自動車としての性能も最高クラスだ。最初に投入される「VLE 300」は、容量115kWhの最新バッテリーを搭載し、WLTPモードで700km以上という長大な航続距離を実現した。消費電力は100km走行あたり20kWh未満に抑えられ、優れたエネルギー効率を誇る。年内には、強力なリアモーターを追加した全輪駆動の高性能版「VLE 400 4MATIC」の追加もアナウンスされている。
特筆すべきは、充電スピードの速さである。800Vのテクノロジーを採用し、300kW以上の高出力充電に対応している。これにより、わずか15分間の充電で最大355km分の走行エネルギーを補給することが可能となった。シュトゥットガルトからローマまでの約1100kmの行程でも、15分の充電を2回行うだけで到達できたという。長距離移動における電気自動車特有の充電の煩わしさを解決している。
多彩なシートアレンジ機能と最新のデジタル体験
室内空間は、用途に合わせて驚くほど柔軟に変化させることができる。手動式シートにはローラーが内蔵されており、任意の位置に固定できるほか、クルマから取り外してそのままガレージへと転がし、移動させることもできる。電動式シートを選択した場合は、車内のディスプレイやスマートフォンのアプリからシートを遠隔操作してレイアウトを変更可能だ。すべてのシートを取り外せば、最大で4000Lを超える広大な荷室を生み出すこともできる。
加えて最新のオペレーティングシステムであるMB.OSが、かつてないデジタル体験を提供する。前席には3画面構成のスーパースクリーンを配置し、後席の天井からは8K解像度を誇る31.3インチの巨大なパノラマスクリーンが展開する。映画の視聴やオンラインゲームなど、車内を没入感のある快適な空間として活用できる。レベル2の先進的な運転支援システムや自動駐車機能も完備しており、通信によるアップデートで常に最新の機能へと進化し続ける一台に仕上がっている。
【ル・ボラン編集部より】
かつてVクラスの進化は「商用バンからの脱却」と評されたものだが、新型VLEの到達点はさらにその先にある。Cd値0.25という空力性能とCLA並みの小回り性能は、巨躯と俊敏性という相反する要素を見事に両立させた。後席の豪奢な空間設計はもちろん、ドライバーが感じる動的質感にまで妥協を許さない姿勢に、走りを重んじるメルセデスの哲学が息づいている。長年Sクラスが担ってきたショーファードリブンの極致は、800Vアーキテクチャを備えたこの完全電動リムジンへと確かに継承されたのだ。
【画像85枚】まさに走る高級ラウンジ。セダンの走りとミニバンの利便性を融合した新型EV「VLE」を写真で網羅























































































