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0-96km/h加速1.55秒、ダウンフォース2トン。伝説の“ファンカー”を継ぐハイパーEV「マクマートリー・スピアリング・ピュア」市販版公開

マクマートリー・スピアリング・ピュア

英国発のサーキット専用EV。記録破りのプロトタイプを経て、実用性をも獲得した小さなハイパーEV”の全貌

英国のマクマートリー・オートモーティブ(McMurtry Automotive)は2026年7月2日、1人乗りの電動サーキットカー「スピアリング・ピュア(Spéirling PURE)」の最終市販モデルを発表した。グッドウッド・ヒルクライムなどでの記録更新で世界を驚かせたプロトタイプから95%の部品を刷新し、F1レベルの圧倒的なパフォーマンスと、プラグアンドプレイの容易な運用を両立させたという野心作である。2026年後半からデリバリーが始まる、この小さなハイパーEVの詳細をお届けする。

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プロトタイプから95%を刷新。1000ps100kWhバッテリーがもたらす異次元の加速性能

スピアリング・ピュアは、純粋なドライビングの爽快感と楽しさを追求して設計されたハイパー・サーキットカーだ。10年にわたる研究開発プログラムとプロトタイプによる数千キロのテスト走行を経て、市販モデルはプロトタイプと比較して95%の部品が新しくなっている。

全長3815mm×全幅1795mm×全高1056mm、ホイールベース2200mmで車両重量約1350kgという小柄なボディながら、パワートレインにはMolicel P50B NCA 21700セルを採用した100kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、プロトタイプの60kWhから容量を大幅に拡大したことで走行時間を向上させている。この標準化されたモジュール式のバッテリー設計は、将来的なアップグレードも見据えたものだ。

新しいHelixドライブモーターはトルクが追加されており、アップグレードされたギアボックスと組み合わされ、後輪に1000psもの最高出力を発揮する。その結果、0-60mph(約96.6km/h)加速はわずか1.55秒、最高速度は190mph(約305km/h)に達する。さらに、パワートレインの冷却システムを車両後部から前部へ移動させたことで、効率と空気力学の両面においてメリットを生み出している。

コーナリング時の横Gは驚異の3G。静止状態から2000kgのダウンフォースを発生させるファンカーの真髄

このクルマの最大の特徴は、マクマートリーが特許を取得した画期的な「ダウンフォース・オン・デマンド」技術である。シャシー下の密閉領域に設置された2つの高速ファンが最大23,000rpmで回転し、空気を吸い込むことで、車体を路面に強烈に吸い付ける。

ウイングなどの特定の方向への気流による従来のダウンフォースとは異なり、このシステムは停止状態から最大2000kgのダウンフォースを即座かつ安定して発生させることができる。これにより、コーナリング時およびブレーキング時に3Gという、かつてはエリートのレーシングドライバーしか味わえなかった強烈なGを体験することが可能となった。

市販モデルでは、ファンブレードの耐久性が向上し、ファンモーターと冷却設計も一新されている。さらにアセンブリ全体の配置が変更されたことで重心が下がり、ファン吸気ダクトが後方から視認できるというユニークなデザイン要素も獲得した。

ル・マン・プロトタイプに迫る一体感。専用成形されるシートと無限のパーソナライゼーション

より大型の100kWhバッテリーとオンボードシステムを搭載するため、市販モデルはプロトタイプと比べるとホイールベースが10%、全幅が14%、全長が11%拡大している。これに伴い、世界的なモータースポーツの安全基準を満たす新しいカーボンファイバー製モノコックとボディワークが専用に造形された。サイズが拡大したとはいえ、依然としてコンパクトなプロポーションは維持されており、車体全体やリアトンネルを通る空気の流れはよりクリーンになっている。

インテリアも大きく進化しており、単なる機能的デザインから洗練された空間へと変貌を遂げた。シートはル・マンのプロトタイプカーと同様のプロセスでオーナーごとにカスタム成形され、完璧なフィット感と車との強固な一体感を提供する。顧客はインハウスのデザイナーと協力しながら、ホイールデザインやペイント仕上げ、特注のインテリアトリムに至るまで幅広いオプションを選択でき、2台として同じ車が存在しないパーソナライゼーションが可能である。

友人と2人だけでサーキット走行が可能。ハイパーカーの常識を覆すイージー・オペレーション

究極のパフォーマンスカーは運用が複雑になりがちだが、スピアリング・ピュアは「プラグアンドプレイ」による快適な所有体験を重視して設計されている。他の超高性能車とは異なり、ドライバーとサポート役の友人が1人いるだけで、トラックデーや競技イベントを走行させることができる。ボディやモノコックにはアクセスパネルが追加されており、組み立てられた状態でも、サイドポッドのクイックアクセスパネルからファンフィルターカセットを取り出して空にするなど、主要部品の整備が容易に行えるよう工夫されている。

充電に関しても、現代のサーキットインフラに対応しており、20%から95%までの充電を周囲温度や充電器の出力に応じて20分から60分で完了できる。さらにオプションとして、容量100kWh、出力120kWのポータブル・パワーバンクも開発されており、一般的なピットガレージの三相電源から充電して、あらゆる会場で車に電力を供給することが可能だ。

価格は約2億円。グッドウッドでの展示を経て、2026年後半より英国新工場からデリバリー開始

スピアリング・ピュアは、米国で開催されるグローバル・タイム・アタックや、ニュルブルクリンクでのヨーロピアン・タイム・アタック・マスターズなどの競技イベントに出場する資格を有している。また、マクマートリー・オーナーズ・クラブに参加すれば、高度なドライバー・トレーニングやグローバルなサーキットでの物流手配を含むサポート、専属エンジニアによる技術的なインサイトの提供など、充実したサポートを受けながら特別な体験を共有できる。

この市販モデルは、2026年7月9日から12日まで開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで展示されたのち、8月14日にカリフォルニア州モントレーで開催されるザ・クエイルで正式に一般公開される予定だ。

小売価格は99万5000ポンド、約130万ドル、あるいは約115万ユーロ(為替レートによるが約2億円)となっており、イギリスのコッツウォルズにある新工場で手作業で製造され、2026年後半から顧客への納車が開始される。

【ル・ボラン編集部より】

かつてシャパラル2JやブラバムBT46Bが挑み、モータースポーツ界で封印された「ファンカー」の系譜。強制的に路面へ吸い付くグラウンド・エフェクトの魔力が、電動化という武器を得て甦った。停止状態から2000kgものダウンフォースを生む驚異的なスペックだが、それをプラグアンドプレイで容易に運用できる点にこそ、現代のハイパーEVが到達した成熟がある。巨大なバッテリーを積みつつ小型化を貫いた設計は、単なる直線番長とは一線を画す。内燃機関では到達し得なかった新領域を切り拓く、歴史的異端児の正統進化版だ。

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※この記事は、一部でAI(人工知能)を資料の翻訳・整理、および作文の補助として活用し、当編集部が独自の視点と経験に基づき加筆・修正したものです。最終的な編集責任は当編集部にあります。
Photo: McMurtry Automotive
LE VOLANT web編集部

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