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BYD Auto Japanは2026年7月28日、日本の軽自動車規格に準拠した専用設計の電気自動車(EV)「BYD RACCO(ビーワイディー ラッコ)」の国内販売を開始した。
【画像99枚】黒船BYDが放つ“本気の軽EV”「ラッコ」がデビュー! 累計1700万台の技術力で日本のスーパーハイト市場に挑む
発表会に登壇したBYDアジア太平洋地域代表の劉 学亮(リュウ・シュエリャン)氏のプレゼンテーションによると、BYDは現在12万人のエンジニアを擁する技術企業へと成長し、グローバルでの新エネルギー車(EVやPHEVなど)の累計販売台数は1700万台に達しており、日本市場においてもこれまでに1万人のお客様に愛用されているという。現在は全国に77の拠点を設けており、今後は47都道府県すべてにネットワークを広げていくという日本市場への強いコミットメントが示された。
続いて登壇したBYD Auto Japan代表取締役社長の東福寺 厚樹氏のプレゼンテーションでは、この「ラッコ」が導入決定から約2年半をかけて開発されたことが明かされた。東福寺氏は、日本の軽自動車規格に合わせて全く新しく設計した初の軽EVであると力説。年間約130万台という軽自動車市場の中で、まずは「1万台」の販売を目指して挑戦していくと意気込みを語った。
広瀬アリスさんも驚愕!「動く自分の部屋みたい」
発表会では、アンバサダーに就任した俳優の広瀬アリスさんが登場。トークショーでは、両手が荷物で塞がっていても足の操作だけで開閉できる電動スライドドアの実演が行われ、広瀬さんは「大きな買い物や愛犬とのお出かけの時に本当に助かる」と絶賛。また、コンパクトな外観からは想像できない車内空間について「座らないと実感できない。動く自分の部屋みたい」と驚きを見せ、EVならではの静粛性と滑らかな加速感にも「スムーズすぎて、本当にリアルな反応が出ちゃいました」と大興奮の様子だった。
軽自動車のど真ん中「スーパーハイトワゴン」で”一番いいクルマ”を目指す
商品企画部 部長の田川 博英氏のプレゼンテーションでは、日本の軽乗用車市場において約半数を占める「スーパーハイトワゴン」という激戦区にあえて挑んだ理由が説明された。BYDが目指したのは「一番広いクルマ」や「一番速いクルマ」ではなく、日本のユーザーの日常に寄り添う「一番いい軽自動車」だという。
田川氏は、ラッコの魅力をパッケージ、バッテリー、走りの3つのポイントから解説。パッケージにおいては、大人4人がきちんと乗れるスーパーハイトならではの広大な空間を確保している。バッテリーについては、満充電での航続距離が国土交通省審査値で210km〜320kmを実現しており、ユーザーのライフスタイルに合わせて200kmと300kmの2つのサイズから選択できる。そして走りに関しては、単なる力強さよりも、しなやかに走ることを重視し、疲れにくく快適な運転フィールを実現しているという。
日本の日常を徹底研究した革新技術「X-PACK」
ラッコの開発責任者であるヤン・ブーイ氏のプレゼンテーションでは、日本専用設計を実現するための徹底したリサーチと技術の全貌が解説された。日本の日常的な買い物や送迎、狭い路地や雪道といった生活環境を調査し、「安全・航続距離・空間・走り・スマート・ケア」の6つのコア目標を設定したという。
特に注目すべきは、新設計の統合型EV技術「X-PACK」だ。BYDの代名詞「ブレードバッテリー」と、それを車体構造の一部とする「CTB(Cell to Body)」技術を刷新して採用している。ヤン氏によると、前部に82mmのクラッシュスペースを設けて衝撃を吸収するほか、車体の約71%に高強度鋼板を使用し、極めて高い安全性を実現したという。航続距離は国土交通省審査値で210km〜320kmを達成しており、35.8kWhのバッテリー搭載モデルでは320kmの走行が可能で、50kWの急速充電にも対応している。
実質200万円以下から!「ラッコ楽」な3つのサービス
「BYD RACCO」は、装備の違いで3グレードを展開。価格(税込)はエントリーグレードの「200」が214万5000円、「300Plus」が239万8000円、最上級の「300Premium」が249万7000円という戦略的な設定だ。15万円のCEV補助金を適用すれば、「200」は実質200万円を切る価格で購入可能となる。
さらにEVへの乗り換えを後押しするため、東福寺氏のプレゼンでも強調された「ラッコ楽(らっこらく)」な3つのサービスが展開される。1つ目は「ロングラン新車保証」で、基本保証の8年/16万kmに加え、1万8000円の有償延長保証により駆動用バッテリーを最長10年/20万kmまで保証する。2つ目は、頭金・ボーナス払い0円で月々1万9300円から乗れる据置型ローン「ラッコ楽っとプラン」である。そして3つ目は、軽自動車として初めてSDVベースで設計された「世界初のSDV化」であり、OTA(Over The Air)を利用して常にソフトウェアを最新状態にアップデートできる点だ。
日本の軽自動車市場に新たなゲームチェンジャーが誕生か
「広く、便利で、静かで安全、そしてスムーズに加速するEV」という理想を、日本の道に合わせて具現化した「BYD RACCO」。スーパーハイトワゴン×スライドドアという日本で最も売れているカテゴリーに、最新のEVテクノロジーとSDVという新たな価値を持ち込んだ本作は、日本の軽自動車市場に大きな地殻変動を起こす可能性を秘めている。
【ル・ボラン編集部より】
グローバルで1700万台のEV/PHEVを売る巨人が、あえてガラパゴスと呼ばれる日本の軽自動車規格、それも激戦区のスーパーハイト市場へ完全新設計で挑んだ点に凄みがある。かつての「ドルフィン」等で見せた日本市場への周到なローカライズは、この「ラッコ」で極まった感がある。スペックの誇示ではなく、日常域における「しなやかな走り」と「快適な空間」を高い次元で両立させたアプローチは、実に大人びた設計思想だ。実質200万円を切る戦略的価格は、既存の国産軽EVにとって間違いなく最大の脅威となるだろう。
【画像99枚】黒船BYDが放つ“本気の軽EV”「ラッコ」がデビュー! 累計1700万台の技術力で日本のスーパーハイト市場に挑む