

















































ヒエラルキーからの脱却。メルセデスが提示する新しいラグジュアリー
メルセデス・ベンツは2026年7月30日、フルモデルチェンジを果たし第3世代となる新型「GLA」をワールドプレミアした。エネルギッシュな都市生活に合わせて設計されたこの新しいコンパクトSUVは、最大657kmの航続距離を誇る完全電気自動車(BEV)モデルを皮切りに、後日導入予定の高効率な電動化内燃機関モデルまで幅広い選択肢を提供する。生成AIを用いたMBUX仮想アシスタントなどの先進技術を搭載し、次世代のプレミアムSUV像を提示する一台だ。
【画像50枚】光るアイコニックグリルと新プロポーション。第3世代「新型GLA」の内外装をギャラリーで見る
洗練のプロポーションと「光」が主張する新世代エクステリア
新型GLAのボディサイズは全長4565mm×全幅1873mm×全高1604mmに設定されている。先代モデルと比較して全高を20mm低くする一方で、ホイールベースは61mm延長されて2790mmとなり、よりダイナミックで自信に満ちたスポーティなプロポーションを実現した。
エクステリアの最大のハイライトは、メルセデス・ベンツのコンパクトセグメントとして初めて採用された新デザインの「アイコニックグリル」である。クロームのフレームとスモークガラス調のメッシュ構造を持ち、オプションで周囲の輪郭やパネル面を光らせることが可能だ。さらに、新しくなったLEDヘッドライトやリアライトにはスリーポインテッドスターの意匠が組み込まれ、夜間でも一目でメルセデス・ベンツとわかる個性を放つ。
デザインラインは新たに4種類が設定され、標準の「スタイル」をはじめ、「プログレッシブ」、「AMGライン」、そして今回GLAに初設定となるさらにスポーティな「AMGラインプラス」が用意される。また、ダークアクセントを効かせた「ナイトエディション」も選択可能であり、多様なライフスタイルに合わせたカスタマイズが可能となっている。
最大657kmの航続距離を誇るBEVと高効率なMHEV
パワートレインは、電気自動車モデルと高効率な内燃機関モデルという2つの大きな柱で構成される。11月の市場導入時に用意されるのは3種類の完全電気自動車(BEV)モデルである。
エントリーグレードの「GLA 200 electric」は58kWhのLFPバッテリーを搭載し最高出力165kW(224ps)を発揮する。続く「GLA 250+ electric」は200kW(272ps)の出力を持ち、「GLA 350 4MATIC electric」は最高出力260kW(354ps)、0-100km/h加速5.4秒を誇るスポーティな四輪駆動のトップモデルだ。これら上位2モデルには85kWhのNMCバッテリーが搭載される。
新型GLAのBEVモデルにおいて特筆すべきは、800Vテクノロジーの採用である。最大320kWのDC急速充電に対応し、わずか10分の充電で最大270km分の航続距離を回復させることが可能となっている。WLTPモードでの最大航続距離は657kmに達し、長距離ドライブの快適性が飛躍的に向上した。
さらに、2027年初頭には高効率な電動化内燃機関モデルも追加される予定である。新開発の1.5L直列4気筒ターボエンジンに22kWのブースト機能を持つ電気モーターと48Vリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド(MHEV)で、市街地などでは電気のみでの走行やコースティングが可能となっている。
広大なスクリーンと対話型AIが生み出す人間中心のくつろぎ空間
インテリアも完全なる再設計を受け、広さと先進性を両立させた空間へと進化を遂げた。ホイールベースの延長により、後席のレッグルームは+38mm、フロントのヘッドルームは+23mm拡大し、すべての乗員に快適な移動を提供する。
荷室容量は先代から70L増加した410Lを確保し、後席を倒せば最大1400Lまで拡張できる。くわえて、EVモデルのボンネット下には107Lもの容量を持つフロントトランク(フランク)が備わっており、実用性は極めて高い。
ダッシュボードには、運転席から助手席までを覆う巨大な「MBUXスーパースクリーン」が配置される。助手席用の14インチディスプレイも用意されており、走行中に動画配信サービスなどのエンターテインメントを楽しむことが可能だ。
そして、システムの中核を担うのが生成AIを活用した「MBUX仮想アシスタント」である。ChatGPTやMicrosoft Bing、Google GeminiなどのAIモデルを状況に応じて使い分けることで、単なる音声コマンドの枠を超え、友人との会話のような自然で複雑な対話を実現している。ルート案内もGoogleマップをベースとしたスマートなナビゲーションシステムへと進化を遂げた。
高度な運転支援とデジタルツイン生産が示すブランドの未来
安全性と環境への配慮も新型GLAの重要なテーマだ。高度な運転支援システム「MB.DRIVEアシスト」を搭載し、自動的な車線変更や、駐車スペースからの自動出庫機能など、最新の技術がドライバーをサポートする。四輪駆動の4MATICモデルには未舗装路に最適な「TERRAIN」モードや、車体下部の路面状況を仮想的に映し出す「トランスペアレントボンネット」機能も追加され、オフロードでの走破性も高められた。
また、生産はドイツのラシュタット工場で行われるが、新型GLAの製造にあたっては「デジタルツイン」を用いた仮想モデリングによる工場の改修が事前に行われ、建設時間とコストの大幅な削減に成功している。さらに、車両全体で見ると、先代の内燃機関モデルと比較してバリューチェーン全体での二酸化炭素排出量を約40%削減している。再生可能エネルギーを使用して製造されたアルミニウムや、先代の4倍以上となるリサイクル素材を積極的に採用することで、持続可能なモビリティの実現に向けた取り組みも強化されている。新型GLAは、最新のテクノロジーと優れた実用性、そして環境性能を融合させ、都市型SUVの新たな基準を打ち立てたといえる。
【ル・ボラン編集部より】
初代はAクラスの派生という立ち位置が色濃かったが、第3世代となる新型はブランドの電動化とデジタル化を牽引する中核モデルへと変貌した。特筆すべきは、生成AIや巨大スクリーンといった最先端のデジタル要素を満載しつつ、800Vアーキテクチャによる急速充電と657kmの航続距離という、メルセデス伝統の「疲労なき長距離移動」の哲学を高度に両立させている点だ。最新テクノロジーを単なるガジェットとして終わらせず、あくまで乗員の快適性に奉仕させる姿勢に、老舗ブランドの揺るぎない矜持を感じる。
【画像50枚】光るアイコニックグリルと新プロポーション。第3世代「新型GLA」の内外装をギャラリーで見る



