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ポルシェは、オーストリア、フランス、イタリア、スイスの4カ国向けに、アルプスの風景と山岳路でのドライビングの歓びからインスピレーションを得た特別仕様車「GT3 ベルクシュポルト (Bergsport)」を発表した。ツーリングパッケージ仕様の 「911 GT3」をベースにポルシェ・エクスクルーシブ・マニュファクチュールが手掛けたこのモデルは、わずか100台の限定生産となる。
【画像43枚】息を呑むアルプスの絶景と共鳴する――ポルシェ911 GT3に欧州4カ国限定の「ベルクシュポルト」が登場!

ポルシェと山々のつながりは深い。オーストリアのグミュントにあった製材所で最初のポルシェ製スポーツカーが誕生して以来、急勾配や連続するカーブを持つアルプスの峠道は、初期のロードカーやレーシングカーの特性を決定づけるテストコースであった。
ワールドプレミアの舞台はスイスのヒルクライム
「GT3 ベルクシュポルト」の世界初公開の場として選ばれたのは、スイスで開催される「アローザ・クラシックカー」 ヒルクライムだ。2026年9月3日、ポルシェのブランドアンバサダーであるヨルグ・ベルグマイスターがステアリングを握り、76のコーナーを持ち422mを駆け上がる全長7.3kmの伝説的なコースを走行する。
アルプスの色彩と光をまとったエクステリア
エクステリアには、特別に開発された新色「バレーグリーンメタリック (Valleygreenmetallic)」が採用された。山の深い緑と大地の色調を表現しており、太陽の光を受けるとゴールドのメタリック粒子が輝き、雪面に反射する光を思わせる。
足元には、通常のマグネシウム鍛造ホイールに代わり、耐久性に優れたサテン仕上げのホワイトゴールドとセラミカの鍛造アルミニウムホイールを装着。これは雪を頂く山峰を表現しつつ、過酷なアルプスの峠道での実用性を考慮した選択だ。また、朝焼けや夕焼けで山頂が赤く染まる「アーペングロー」を象徴する鮮やかなオレンジ色のブレーキキャリパーがアクセントとなっている。さらに、急勾配などでの使い勝手を高めるフロントアクスルリフトシステムや、長距離のドライブを可能にする90L燃料タンクも装備される。
外観のディテールも特別だ。 908ベルクスパイダーにインスパイアされたチェッカーフラッグのモチーフがフロントフードにあしらわれ、Bピラーやエンジンカバーにはアルプスの4つの山頂やワインディングロードを描いた専用バッジが装着される。
山岳テーマが貫かれた上質なインテリア
インテリアでも 「バレーグリーン」の専用レザーが、軽量パッケージの一部であるカーボンファイバー製フルバケットシートに採用されている。注目すべきは、純粋なドライビング体験を追求しながらもリアシートが装備されている点だ。
ヘッドレストの「GT3」刺繍や、ステアリングホイールの12時位置のマーキング、マニュアルシフトレバーのパターンなどにはオレンジのアクセントが施されている。 ドアやダッシュボード上部のステッチは、黒と白の糸が交差して山々のシルエットを描き出すこだわりの特別仕様となっている。
ポルシェ・ライフスタイルからは、このモデルに合わせたミニカー、アパレルアイテムのほか、2027/2028年の冬季シーズンに向けてオーストリアのHEAD社製 「GT3 ベルクシュポルト スキー板」も発売される予定だ。
【ル・ボラン編集部より】
ポルシェ生誕の地・グミュントに連なるアルプスの峠道。今回の限定車は、単なる特別カラーの展開ではなく、ブランドの源流たるヒルクライムの歴史への回帰だ。特筆すべきは、GT3でありながらリアシートを備え、90Lタンクやリフターを完全装備している点である。サーキット最速を狙う刃物のようなGT3に、長距離を往く実用性を組み込む。一見相反する要素だが、過酷な山岳路を大切な誰かと駆け抜けるという設計思想においては必然のパッケージングなのだ。過去の評価軸を超えた、最新にして最もロマンチックな911である。