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【ジムニーノマド試乗】単なる“5ドア版シエラ”にあらず。340mmの延長がオン/オフロードでもたらす走りの本質的な違い《LE VOLANT LAB》

スズキ・ジムニーノマド FC(4AT)
スズキ・ジムニーノマド FC(5MT)
スズキ・ジムニーノマド FC(4AT)
スズキ・ジムニーノマド FC(4AT)

ジムニーの核心たる“悪路走破性”は健在か? 5ドア版「ノマド」の真価に迫る

日本導入が発表され、瞬く間に大反響を呼んだスズキ・ジムニー初の5ドアモデル「ノマド」。シエラ比で340mm延長されたホイールベースは、単に後席の居住性や荷室を拡大しただけではない。果たしてその変化は、ジムニーの命題である悪路走破性に何をもたらしたのか。モータージャーナリストの石井昌道氏が、オン/オフロードの双方で徹底試乗。その本質的な違いを紐解く。

【画像27枚】340mmの延長がもたらす変化とは。スズキ・ジムニーノマド(5ドア)のディテールを写真でチェック

2人+荷物」のシエラ、「4人+荷物」のノマド。明確な4シーターへと進化したパッケージング

日本での発売が発表されるやいなや、予想をはるかに上回る注文が殺到したスズキ・ジムニーノマド。ジムニーシリーズ初の5ドアというだけでも注目度の高さは当然だが、実際にオンロードとオフロードの双方で走らせてみると、単に「便利になったジムニーシエラ」ではないことがわかる。340mm延長されたホイールベースは、居住性だけでなく走りのキャラクターにも少なからず変化をもたらしているのだ。

現行ジムニー/ジムニーシエラが登場したのは2018年。ラダーフレーム、副変速機付きパートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションという本格クロカンとしての基本構成を守りながら、スクエアで機能的なデザインも相まって世界的な人気車となった。その5ドア版として2023年にインドで発表され、日本には2025年に「ノマド」の名を冠して導入された。

スズキ・ジムニーノマド FC(5MT)

ボディサイズは全長3890mm×全幅1645mm×全高1725mm、ホイールベース2590mm。シエラに対して全長とホイールベースを340mm延長している。後席ドアを設けただけでなく、後席そのものも常用を前提に作り直された。シエラが荷室としての使い勝手も重視した「2+2」的な考え方なのに対し、ノマドは明確な4シーター。後席のヒップポイントをシエラより50mm後方へ移して膝まわりのスペースを広げ、シートクッションやシートバックにも厚みを持たせた。

スズキ・ジムニーノマド FC(5MT)

それでいて4人乗車時の荷室床面長は、シエラの240mmから590mmへと350mm拡大。荷室容量も59Lから211Lへと大幅に増えている。一方のシエラは、後席を倒せば352Lの荷室を確保でき、フロアも完全にフラットになる。つまりシエラが「2人+荷物」で使うことを得意とするのに対し、ノマドは「4人+荷物」という使い方まで現実的にしたわけだ。

ピッチ方向の動きが穏やかに。シャシーの安定感が増したゆえに見えてきた動力性能への注文

もっとも、ジムニーである以上、5ドア化のために悪路走破性を犠牲にするわけにはいかない。開発陣によれば、居住性と荷室を確保しながらホイールベースの延長量は必要最小限に抑えたという。フレームも単純に中央を340mm伸ばしただけではない。延長部分にはセンタークロスメンバーや補強材などを追加し、ロングホイールベース化による剛性への影響を抑えている。

まずオンロードを走らせると、シエラよりもわずかに落ち着いた挙動が印象に残った。ホイールベースが長くなったことでピッチ方向の動きが穏やかになり、路面のうねりが続くような場所でも姿勢変化がゆったりしている。リジッドアクスルゆえの突き上げを感じる場面はもちろんあるが、「本格クロカンだから仕方がない」と我慢を強いられるようなレベルではない。むしろ荒れた舗装路では、しっかりしたラダーフレームと長いホイールベースが効いて、想像以上に安定して走る。

スズキ・ジムニーノマド FC(5MT)

ただし、オンロード志向へと性格を変えたわけではない。ステアリングを切ったときの反応や前後リジッドアクスルならではの動きなど、基本的な感触は紛れもなくジムニーだ。最小回転半径もシエラの4.9mに対して5.7mとなるので、狭い場所ではロングホイールベース化を意識させられる。

スズキ・ジムニーノマド FC(5MT)

もうひとつ、シャシーの安定感が増したぶん、少々物足りなく感じるのが動力性能だ。搭載するK15B型1.5L直列4気筒自然吸気エンジンはシエラと共通で、最高出力101ps、最大トルク130Nm。対して車重はシエラより100kg重い。今回5速MTを走らせると、平坦路では軽快に楽しめるものの、登りでは4速のまま粘らせるより3速へ落としたくなる場面が少なくなかった。一生懸命エンジンを使い切る楽しさはあるが、長距離を走ることまで考えれば、もう少し低中速トルクに余裕が欲しくなる。

いざオフロードへ。姿勢変化の穏やかさがもたらす、悪路での意外なメリット

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フォト=山本佳吾/K. Yamamoto

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