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フォルクスワーゲンは2026年9月16日、完全新型となる電気自動車(BEV)のホットハッチ「ID.3 GTI」を世界初公開した。今年4月にフェイスリフトを受けたばかりのID.3をベースに、GTIの50年にわたる歴史の中で最もパワフルな最高出力326psを発揮するモーターを搭載する。5月に発表された最高出力226psの「ID.ポロGTI」に続く電動GTIの登場であり、その圧倒的なパフォーマンスと航続距離601kmの実用性により、新時代の日常を彩る完璧なスポーツモデルに仕上がっている。
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歴代最強となる326ps。50周年を飾る電動ホットハッチの頂点
2026年という年は、フォルクスワーゲンにとってGTIの歴史が50年目を迎える記念すべき年である。この節目に世界初公開として詳細が発表されたID.3 GTIは、これまで量産されてきた歴代すべてのGTIモデルの中で最もパワフルな性能を誇る。
リアアクスルに搭載された電気駆動モーターは、最高出力240kW(326ps)、最大トルク545Nmという強烈なパワーを発生させる。標準装備されるローンチコントロールにより、タイヤ痕をアスファルトに残すことなくパワーを路面に伝え、0-100km/h加速はスポーツカー顔負けの5.6秒を記録する。最高速度は電子制御により200km/hに制限されているが、特筆すべきは電動モデルならではの、常に引き出すことができる最大トルクだ。
ダイレクト・プログレッシブ・ステアリングやアダプティブDCCスポーツシャシー、低重心が相まって、これまでにない純粋でダイナミックなドライビング体験を提供するという。今年5月に最高出力226psを誇る「ID.ポロGTI」が発表されているが、ID.3 GTIはそれを大きく上回るスペックを与えられ、電動ホットハッチの頂点に立つ存在となる。
伝説の赤いストライプを継承。伝統とモータースポーツの融合
エクステリアは、今年4月にフェイスリフトを受けた改良型ID.3(ID.3ネオ)をベースとしながらも、GTI特有の専用デザインが随所に散りばめられている。フロントエンドには、新たに標準装備となったIQ.LIGHT LEDマトリックスヘッドライトが配置され、その間に光るVWロゴを配した透明なライトストリップが伸びている。さらにそのすぐ上には、1976年の初代ゴルフGTIから受け継がれる赤いストライプが組み込まれた。
バンパー両端に垂直に配置されたLEDエレメントや、スプリッターとしてデザインされたフロントスポイラー、そして高光沢ブラックのハニカム・エアインテークグリルが、モータースポーツのスタイルと電動GTIとしてのアイデンティティを主張している。足元には、オーストリアの伝説的なGTIミーティングに由来する「Wörthersee(ヴェルターゼー)」と名付けられた20インチアルミホイールを標準装備する。
前モデルにあたるID.3 GTXではルーフ周りが黒く塗装されていたが、新型ではボディ同色に仕上げられており、より長くスポーティなシルエットを強調している。ボディカラーは、伝統のトルネードレッドをはじめ、ムーンストーングレー、スケールシルバーメタリック、グレナディラブラックメタリック、グレイシアホワイトメタリックの全5色が用意された。
内燃機関のサウンドが響く。ドライバーを昂らせる「GTIモード」
インテリアは、黒と赤を基調としたスポーティかつ高度に個別化された空間に仕立てられている。ダッシュパネルを横断する赤いストライプや、マルチファンクション・スポーツステアリングホイールの12時位置に施された赤いマーキングがGTIらしさを強調する。プレミアムスポーツシートには、初代ゴルフGTIを彷彿とさせるタータンチェック柄が新解釈で採用された。
インフォテインメントシステムも新世代へと進化し、12.9インチの大型タッチディスプレイが新しく大型化されたデジタルコックピットと同一の視線上に配置されている。さらに、ステアリングホイールの6時位置にある専用ボタンを押すことで、ドライブやシャシーのパラメーターが最大のスポーティさに設定される「GTIモード」が起動する。このモードでは背景照明が赤に固定され、デジタル計器にパワーディスプレイが表示されるほか、バックグラウンドで内燃機関のサウンドが響くという心憎い演出も備わっている。
最新の運転支援を搭載。2027年、新時代のGTIが走り出す
ID.3 GTIは、スポーツカーとしての顔だけでなく、日常使いにおける高い実用性も兼ね備えている。正味エネルギー容量79kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最大601kmという余裕の航続距離を実現した。最大183kWのDC急速充電に対応しており、約29分で10%から80%までの充電が可能である。また、V2L(Vehicle-to-Load)機能を備えており、オプションのアダプターを介してe-bikeなどの外部デバイスへの給電も行えるため、週末のアクティビティにも最適だ。
運転支援システムも進化し、最新のトラベルアシストは赤信号を検知して自動で停止する機能が初搭載された。新時代の電動ホットハッチとして、日常の実用性と圧倒的なパフォーマンスを高次元で両立させた新型ID.3 GTIは、2027年初頭から先行販売が開始される予定だという。
【ル・ボラン編集部より】
最新のBEVでありながら、内燃機関のサウンドを響かせるGTIモードの演出は、一見すると過剰な懐古趣味に映るかもしれない。だが、これは単なるノスタルジーではない。初代ゴルフGTIから50年間培われてきた「日常と非日常をシームレスに繋ぐ」という哲学を、デジタルの力で再解釈した結果である。内燃機関の脈動を持たない電動ホットハッチに、あえて過去の名車の記憶をインストールすることで、最先端テクノロジーの冷たさに血を通わせているのだ。実用性を損なわず情熱をたぎらせる、これぞ新時代のGTIである。
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