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ピレリが、25年目を迎えたスローガン”POWER IS NOTHING WITHOUT CONTROL”を記念したアニュアルレポートを発表

3人の著者による随筆、ビデオやフォトストーリーを掲載

ピレリは、2018年アニュアルレポートを発表。今回は、“Power is nothing without control” (コントロールを伴わないパワーは、意味を成さない)というスローガンの25周年を記念して、3人の国際的ライターによる随筆と、ビデオや画像によって様々な解釈を紹介している。

“Power is nothing without control”というキャッチコピーは、アニー・リーボヴィッツ撮影による、赤いハイヒールを履いてスターティングポジションを取るカール・ルイスの写真とともに発表された。1994年にテキサスで撮影され、今や伝説となっているこの写真は、“Power is nothing without control”というメッセージとともに、人生において権力(power)へのコントロール(control)が不可欠であることと同様に、クルマをコントロールする上でのタイヤの重要性を示していた。

ピレリ2018年アニュアルレポートにおいて、3人の文筆家Adam Greenfield(アダム・グリーンフィールド)、Lisa Halliday(リサ・ハルイディ)、J.R. Moehringerが、テクノロジー、スポーツ、カルチャーといったピレリが関連する領域におけるpowerとcontrolについての解釈を述べている。


テクノロジーの領域において、アダム・グリーンフィールドは「powerとcontrolの違いを把握することは、現代において非常に難しい問題です。現代の独創的なテクノロジーは、日ごとに我々にpowerを与えます。しかし、実際には、我々はそのpowerをcontrolする術を学んでいません」と述べている。

一方J.R. Moehringerは、スポーツに関連する彼の寄稿の中で「我々は時として、偉大なアスリート、俳優、医師、起業家などのみが特別なpowerを授けられたのだと勘違いしがちですが、実は、誰もが特別なpowerを持っているのです。成功者は、powerに対して持続性のある一貫したcontrolを行う方法を見出した人々なのです」と記している。

またリサ・ハルイデイは、芸術と文化に関する寄稿 “Hurrying Slowly” の中で「芸術は、意識の中の旅です。これは、アーティストと鑑賞者、パフォーマーと観客、著者と読者など、それぞれ双方の立場に当てはまることです。そのような旅を推進するpowerは、control無くして意味はありません。なぜなら、controlこそが、芸術的なポテンシャルに道を与えるからです」と述べている。

25年前に、カール・ルイスを起用したキャンペーンとともにヤング・アンド・ルビカムによって制作されたビデオが、上記3名の著者の作品とともに視聴可能だ。そのビデオの中で、powerは人を突き動かす内なる力として、controlは目標を達成する不可欠な要素として描かれている。このビデオのコンセプトは、アニュアルレポートの製本版において画像として紹介されている。

“Power is nothing without control” というメッセージが添えられたカール・ルイスの写真は、今日までピレリを特徴づけることになった広告キャンペーンであった。アニー・リーボヴィッツの写真に続き、翌年にはテレビコマーシャルが制作された。この映像は、特撮を加味して、ニューヨークを疾走するカール・ルイスを映像化しており、最後のシーンでは、カール・ルイスの足の裏が、ピレリP6000のトレッドパターンになっている。
ピレリは、1996年までカール・ルイスをイメージキャラクターとして起用し、その翌年、当時世界最速のフランス人女性アスリート、マリー=ジョゼ・ペレクと契約。新しいコマーシャルでは、海上のモンスターや溶岩流などの危険を逃れながら疾走する女性スプリンターが描かれ、ここでも彼女の足の裏がピレリタイヤのトレッドパターンになっている。
そして1998年、ロナウドを起用したコマーシャルが制作された。後方から見たコルコバードのキリスト像に重ね合わせたようなロナウドのイメージは、広告の世界を超えたアイコンとなっている。

2010年以来、ピレリのアニュアルレポートは、芸術および文化に造詣の深い人々の参画によって、単なる報告書から、企業の1年を物語るコミュニケーションツールへと変遷を遂げている。2010年のアニュアルレポートでは、サスティナビリティをテーマに、Naba di Milano の学生の写真が使用され、2011年には、グラフィックアーティスト Stefan Glerum による18枚のイラストが盛り込まれた。2012年には、雑誌 New Yorker の漫画家ライザ・ドネリーのイラストが花を添え、2013年には、作家・劇作家のハニフ・クレイシをコーディネーターとした“Spinning the Wheel”プロジェクトの内容が反映された。同プロジェクトは、”wheel(車輪)”を再考案するアイデアを国際的な若い才能に募るものだった。

2014年のアニュアルレポートでは、ストリートアートが主役となった。ブラジルのMarina Zumi、ドイツのDome、ロシアのAlexey Luka ら3名のアーティストが、ハンガービコッカに設置したピラミッドのようなディスプレイにアートを描き、2015年には、ロシア人カリグラファー Porkas Lampsが、”unique”をテーマに、指紋を表現した作品を制作。この年のアニュアルレポートのタイトルは、”Every Mark is unique”だった。2017年、ピレリは、”Data meets passion”というテーマの下、会社のデジタル化の歴史をアニュアルレポートで表現し、デジタル技術の活用による企業の成長を自社の歴史と併せて記している。この年のアニュアルレポートにおける芸術的コンテンツには、アーティストのエミリアーノ・ポンジや、世界的な作家であるモーシン・ハミッド、トム・マッカーシー、 テッド・チャンらの作品が採用された。

 

相澤隆之

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