メルセデス・ベンツ特集 2019

【徹底研究】600〜700万円台で考えるメルセデス選び!

アナタならどれにする? すべてのボディタイプが選べる

下は328万円のA180から、上は3539万円のメルセデスAMG S65カブリオレまで、幅広いモデルを揃えるメルセデスのラインアップ。中でも一番のボリュームゾーンでもあり、セダン、ワゴン、クーペ、オープン、SUV、さらにAMGモデルまで……すべてのボディタイプが選べるのが、この600~700万円台という価格帯だ。ここでは、各ボディタイプの代表選手を集め、そのキャラクターを徹底検証。さて、アナタならどれにする?

王道のセダンと大人のクーペ

平成のはじめの頃はSクラスにミディアムクラス、190Eといった大中小のセダン、ミディアムクラスのワゴンとクーペ、カブリオレのSL、SUVのGクラスというラインアップだったが、令和を迎えるこの30年あまりで数え切れないほどに車種が増えた。大中小のセダンが基幹車種として君臨しているのは変わりないが、FF系コンパクトカーだけでも5車種、SUVが7車種、クーペ/カブリオレが7車種、本格的なスポーツカーやミニバンなどもある。いつのまにかフルラインナップへと変貌を遂げて、選択が悩ましいほどだ。ここでは600〜700万円台で探せる6モデルをピックアップ。いったいどれを選べば幸せなカーライフを送れるのだろうか?

SEDAN
E200 AVANTGARDE

【SPECIFICATION】■全長×全幅×全高=4930×1850×1455mm■ホイールベース=2940mm■車両重量=1740kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1497cc■最高出力=184ps(135kw)/5800-6100rpm■最大トルク=280Nm(28.6kg-m)/3000-4000rpm■トランスミッション=9速AT■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=225/55R17:225/55R17■車両本体価格(税込)=7,210,000円

まず王道のセダンは、センター・オブ・メルセデスと言われるEクラスが選択できる。700万円台に収まるのは、3月の一部改良でBSG搭載の新エンジンを搭載したE200とディーゼルのE220dだが、今回は前者だ。従来のE200は2Lターボで184ps、300Nmだったが、新エンジンは1.5Lにダウンサイジング。トルクは280Nmへと微減したがパワーは184psを確保した。BSGのモーターが最大160Nmのアシストも行うので、パフォーマンスは2Lと同等以上だ。実際に走らせてみても従来のE200より活発なくらいでダウンサイジングされたのが信じられないほど。Eクラスのボディに対して余裕があるわけではないので、もう少し中間加速がもう少し鋭ければ……と思わないではないが、必要十分のレベルは超えている。アイドリングストップからの再始動が極めてスムーズだ。

先頃のマイナーチェンジで、E200セダン(ワゴンも)のエンジンは、BSG搭載モデルに変更。オプション満載のCクラスセダンなら、ワンクラス上のEクラスを選べるのだ。

最近のメルセデスのセダンらしく、乗り心地は快適だけれどコーナーではグッと踏んばって意外なほどスポーティでもある。古き佳きメルセデスのような重厚感はあまりなく、どちらかといえば軽快な乗り味なのだ。E200はそれなりに広々とした使いでのあるセダンであり、快適だけれどけっこうスポーティでもあるといったところ。乗用車の基本がここにある。

 

セダンとクーペ、同じEクラスでも乗り込んだときから気分がガラリと変わる。

COUPE
E200 COUPE SPORT

同じEクラスでもクーペになると乗り込んだときからして気分がガラリとかわる。シート座面と床の高低差が少なくなり、スポーツカーのように足を前に投げ出すスタイルになるからだ。それだけで断然スポーティでドライビングを存分に楽しもうという気分になる。

【SPECIFICATION】■全長×全幅×全高=4855×1860×1430mm■ホイールベース=2875mm■車両重量=1740kg■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1991cc■最高出力=184ps(135kw)/5500rpm■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1200-4000rpm■トランスミッション=9速AT■サスペンション(F:R)=4リンク:マルチリンク■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク■タイヤサイズ(F:R)=245/40R19:275/35R19■車両本体価格(税込)=7,840,000円

E200クーペスポーツは新エンジンではなく2Lターボ。パフォーマンスは1.5Lターボ+BSGとさほどかわらないが、少し滑らかな感覚。ハイライトはやはりハンドリング。コーナーへ向けてステアリングを切り込んでいくとスッとミズスマシ的にノーズがインへ向いていくのが心地いい。それも自然な動きで無理がなく、ワインディングなどでは手足のようにクルマを操れる感覚がある。

流麗なルーフライン、サッシュレスウインドーとBピラーレスによる広い車窓、乗員が快適に過ごせる室内空間も魅力。E200クーペのエンジンは従来通り2Lを搭載。

ピュアスポーツやAMGのようにアドレナリンが瞬間沸騰するような熱さはないが、意のままになる操縦性をじっくり味わえる大人のスポーティクーペだ。

リポート:石井昌道/M.Ishii フォト:郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン6月号より転載
石井 昌道

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