初代が誕生してから35年、スポーツセダンのベンチマークとして君臨してきたM3の最新モデルがクーペのM4とともに世界初公開となった。実は、その正式発表を前にして、我々は特別にミュンヘンにあるスタジオでの取材が許可された。ここでは、実車を前にした印象を交えながら車両の詳細をお伝えしよう。
内に秘めた高性能を剥き出しにしてみせる!
新しいM3セダンとM4クーペの実車を前にして、まず真っ先に目に飛び込んでくるのは、いうまでもなく大型で縦長のキドニーグリルだ。先に発表された4シリーズクーペのそれと同じと勘違いされる方もいるかも知れないが、よく観察すると4シリーズのクーペではキドニーグリルの周囲に設けられたクロームメッキフレームが左右ふたつのキドニーを繋げる、いわゆる“モノキドニー?”。一方、M3とM4ではクロームのフレームがなく、左右独立した“ダブルキドニー”となっている。
また、フロントバンパー下のエアインテークにはハニカム状のグリルが、そしてその左右にはエアカーテン用の縦長のスリットが刻まれる。フルLEDが標準装備となるヘッドライトは、フェンダーにまで周り込んだシャープな形状のハウジング内に収まる。ちなみに、撮影車に採用されているBMWレーザーライトを搭載したアダプティブLEDヘッドライトはオプション設定となる。
大きく張り出したブリスターフェンダーには、フロントにM社デザイナーが“エラ”と呼ぶ、もはや定番のアイコンをレイアウト。リアエンドのデザインはM3とM4で大きく異なっていて、セダンには伝統的なL字型のリアコンビネーションランプが与えられているのに対し、クーペは上下に薄い横長タイプとなる。なお、両モデルともに共通な装備はカーボン強化プラスチック(CFRP)製のルーフ、トランクリッド上のリアエッジスポイラー、リアディフューザーなどだ。
インテリアはレザーとアルミ、そしてカーボンから成るMならではのスポーティ&エクスクルーシブな仕立て。インフォテイメントにはBMW最新のオペレーティング・システム7.0搭載のフルデジタルシステムが採用、AIボイスコントロールを含むサービスインターフェイスが与えられる。もちろん、M専用のスポーティな表示プログラムももれなく付く。