Garage Life

約90年前のフォードを格納したガレージ! 老後も考えた平家の間取りは、床下収納など工夫満載【ガレージライフ】

まるでアメリカ! クルマもバイクもアメリカンな施主がアメリカのクルマ雑誌からプランニングしたガレージハウス。

アメリカ・カリフォルニアを連想させる木造平屋住宅。青い芝生で子どもが楽しく遊ぶ姿は、映画のワンシーンを見ているかのようだ。そんな憧れのアメリカン・ガレージライフを手に入れたのは、都内でカスタムバイクショップ「Katies Customs」を経営するTさん。ガレージに停まる愛車は’32フォード・5ウィンドウクーペ。映画『アメリカングラフィティ』でもおなじみのクルマである。
 
友人にアメリカンハウス建築を依頼
アメリカの郊外にありそうなTさんのガレージハウス、建設コストはかなりかかっているのではと思ってしまうが、その金額は1150万円とのこと。クルマもバイクもアメリカンなTさんだが、彼の住宅を手がけたのは、注文住宅を設計、施工している「土方建築設計」の土方氏であった。

土方さんは学校時代の先輩で、昔からTさんのライフスタイルや、趣味・好みなどを理解しており、Tさんがマイホームの建築を決意したとき、真っ先に相談したのだそうだ。

2人はアメリカのクルマ雑誌をめくりながら、写真の片隅に映っている住宅を研究。お気に入りは芝生の庭と玄関アプローチを持った木造平屋の家であった。土方氏いわく「日本では最近の住宅事情からして、木造平屋を注文するオーナーは珍しい」とのこと。Tさんの要望に沿ったプランニング、設計はおよそ1ヶ月かけて行われたという。

施主自ら作業することでコストダウン
建築に使用された木材はそれぞれ、使う場所や特性、耐久性を考慮して使い分けていったが、柱、梁、桁にはアメリカから輸入したスギ材、ロフトには割れにくいパイン材、ベランダは強度を考えてツゲ材が使用された。3ヶ月にわたって行われた建築作業は、コストダウンを図るためオーナー自らも参加し、順調に作業が進行したという。

【写真7枚】アメリカのクルマ雑誌を見て建てた憧れのガレージハウス

ポイントは床下収納と老後に対応した間取り
完成したTさんのガレージハウスでポイントなのは、床下収納。平屋住宅のデメリットは充分な収納スペースを確保できないということなのだが、床下収納は収納するのが簡単なうえ、大きなものを収納できるようにしたために使い勝手がよいのだそうだ。奥様も「この収納スペースがなかったら、うまく部屋が片付かなかった」と話していた。
 
家族4人で暮らすTさんだが、平屋にこだわったのにはほかにも理由があった。それは老後の生活。まだ若い2人だが、平家なら階段の昇降もなく、広すぎる家よりも過ごしやすいと考えたとのこと。時間があれば増築を自分でやってみたいとDIYも視野に入れているTさん。クルマと一緒に歳をとり、何年経ってもこのガレージでカスタムを楽しんでいるに違いない。

『ガレージのある家 vol.36』より転載

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