御三家のハイエンドEVが集結。ドライバビリティ、快適性、最先性などの観点から、さらなる進化の先には、ブランドのフラッグシップとなる日もそう遠くないはずだ。これからのハイエンドやラグジャリーの在り方を考えさせる、3台のポテンシャルを紐解いていこう。
【写真5枚】高い静粛性と極上の快適性を持つ室内、BMW i7の詳細を写真で見る
i7の登場でフラッグシップサルーンが内燃機にこだわる理由はなくなったかもしれない
前編のメルセデスEQSに続いて、上陸したばかりのBMW i7へ。典型的なセダンらしいプロポーションのBMW i7だが、フロントフェイスの主張は強い。しかも試乗車はBMW初というツートーンカラー。オーセンティックなところも感じさせつつ艶やかさというか威圧感というか、とにかくアピール度はEQSにもまったく負けていない。
インテリアも最初はハイテク感に圧倒されるが、いざ室内に入ってみれば白木やライトグレーのレザー、そしてファブリックを要所に使うことで今風のモダンリビング感が演出されていて心地良い。この爽やかなラグジャリー感、気にいる人はきっと多いはずだ。
乗り味もそんな雰囲気にマッチした洗練ぶりである。発進の際の目をみはるほどのスムーズさ、その先のまるでフリクションを感じさせない滑るような加速は、まさに上質の極みと言っていい。
サスペンションも同様に、ストロークの初期から当たりは非常に柔らかく快適性は上々。それでいてボディはしっかりしているので、挙動に曖昧さや不安定感などは皆無である。ステアリングにはピシッとした中立感があり、直進性はいいしコーナリングも自信を持って行ける。ゆったり走ってもハイペースで巡航しても、運転を大いに満喫できるのだ。
(後編・アウディe-tronへ続く)
【SPECIFICATION】BMW i7 xDrive60 EXCELLENCE
■全長×全幅×全高=5390×1950×1545mm
■ホイールベース=3215mm
■車両重量=2690kg
■総電圧=376.0V
■総電力量=105.7kWh
■一充電航続可能距離(WLTC)=650km
■モーター最高出力=544ps(400kW)/-rpm
■最大トルク=745Nm(76.0kg-m)/-rpm
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=255/45R20:285/40R20
■車両本体価格(税込)=16,700,000円