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【RS 3セダン&メガーヌR.S.】”ポルシェキラー”な高コスパのコンパクトスポーツ。これがラストの内燃機関手に入れるなら今だ!

2033年までにエンジン車の生産を終了と発表しているアウディのコンパクトなスポーツモデルがRS 3セダン。一方、ニュルブルクリンク北コースで幾度となく量産FF車最速の記録を更新したルノー・メガーヌR.S.。ここでは、高性能コンパクトスポーツ2台の雌雄を決す!

これがラストの内燃機関手に入れるなら急げ!

日常的に楽しく気持ちよく走りたいから車体のサイズはある程度コンパクトな方がいい、というのは当然だろう。デカくなればなるほど気を使うし、クルマと自分の一体感も薄れていきがちだから。そこには素直に賛同を表明する。

【写真12枚】ポルシェキラーの実力を持つコンパクト、RS 3セダンとメガーヌRSの詳細を写真で見る

そしてハイパフォーマンスというのがどれくらいの”ハイ”を示すのかはイマイチわからないけど、もしポルシェを追い回せるくらいの”ハイ”をお望みなら、この2台こそが適役だろうと思う。アウディRS3とルノー・メガーヌRSだ。どちらも全長は4.5m前後、車幅は1.8m台半ばと、持て余すことのないサイズだ。かたやナリに似合わぬスーパースポーツ級エンジンに曲がるためのAWDの組み合わせ、かたや間違いなく歴史に名を残すニュル最速のFWDハッチ。不足はないだろう。

RS3は、アウディがこだわって育ててきた直5の2.5Lターボと、トラクションはもとより曲がるために機能する伝家の宝刀クワトロシステムに曲がるための電子デバイス類を組み合わせた、速さと楽しさのためにすべてを振り切ったモデル。特徴的な快音を響かせながら猛烈な加速を生み出す400psと500Nmのエンジンは素晴らしく気持ちいいし、クラスを遙かに超越して速い。峠道ではいったいどこまでいけるのか奥が見えないほどの驚異的な旋回スピードで、微塵もアンダーステアを見せずにコーナーを次々クリアしていく様が、気持ち悪くなりそうなくらいに気持ちいい。

メガーヌRSが積む直4の1.8Lターボはたった300psと420Nmに過ぎないが、3000rpmも回っていればどこからでも俊敏なピックアップで有効なパワーとトルクを解き放つ扱いやすさが、まずは大きな武器だ。それにとにかくコーナリングにこだわって、フツーのメガーヌとは構造の異なるフロントサスペンションを作り上げ、4コントロールという4輪操舵機構と組み合わせて磨き抜いたシャシーは、どれほどがんばってもレールの上から外れないようなビシッと強靱な感覚とともに、途方もない速さでコーナーというコーナーをトレースする。峠道あたりだと、実力すべてを使い切るのは無理なレベルだ。

どちらも確実に911を追い回せるだけの実力の持ち主。だが、RS3はアウディの2026年以降はピュアEVのみという方針によって、内燃機関を積む最後のRS3となりそうだ。メガーヌRSはすでに次期型がクーペSUV型ピュアEVとして発表されていて、いずれそれに切り替わるのだろうし、ルノースポールもアルピーヌに組み込まれた。やはり最後のメガーヌRSだ。そう、どちらの驚速コンパクトも、手に入れるラストミニッツなのだ。急げ!

【SPECIFICATION】ルノー・メガーヌR.S.
■全長×全幅×全高=4410×1875×1465mm
■ホイールベース=2670mm
■車両重量=1480kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1798cc
■最高出力=300ps(221kW)/6000rpm
■最大トルク=420Nm(42.8kg-m)/3200rpm
■トランスミッション=6速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:トーションビーム
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=245/35R19:245/35R19
■車両本体価格(税込)=\5,590,000
■問い合わせ先=ルノー・ジャポン☎0120-676-365

【SPECIFICATION】アウディRS 3セダン
■全長×全幅×全高=4540×1850×1410mm
■ホイールベース=2630mm
■車両重量=1600kg
■エンジン種類/排気量=直5DOHC20V+ターボ/2480cc
■最高出力=400ps(294kW)/5600-7000rpm
■最大トルク=500Nm(51.0kg-m)/2250-5600rpm
■トランスミッション=7速DCT
■サスペンション(F:R)=ストラット:ウイッシュボーン
■ブレーキ(F:R)=ディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=265/30R19:245/35R19
■車両本体価格(税込)=\8,390,000
■問い合わせ先=アウディジャパン☎0120-598-106

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320psと420Nmの2L直4ターボと、前後輪および後輪左右のトルク配分を変えられる新開発のAWDシステム。比較的落ち着きのあるルックスながら、0→100km/h加速は4.7秒の俊足。これも間違いなくポルシェキラーと呼べる1台だ。

フォト=小林俊樹 ルボラン2023年4月号より転載
嶋田智之

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