モチーフはポルシェ550/1500RSスパイダー
今回は、ソリドNo.101ポルシェ スパイダーのご紹介です。フランス製ソリドNo.101ポルシェ スパイダーは、レーシングスクリーンの形状から、恐らく実車は1955年~1956年に限定生産された550/1500RSスパイダーをモチーフに1957年から製造されたミニカーのようです。実車は、アルミ製ボディによる2座席オープンタイプで、OHVエンジンから4カムシャフト(DOHC)の新開発1500cc 148ps(仕様により異なる)の高性能エンジンに換装され、エンジン搭載位置もポルシェ356のリアエンジンから、ミッドシップに変更された最高速度220km/hのレーン・シュポルトでした。車名は550Kgに軽量化された乾燥重量から命名されました。
ミニカーは、フランス ソリドの1/43スケールの新シリーズとして1957年にNo.100のDタイプ・ジャガーから新たにスタートしたシリーズで、その新シリーズの2番目に発売されたモデルでした。このシリーズは比較的長期間生産されたため、タイヤや搭乗したドライバー(人形)、ボックスデザイン等にバリエーションが確認されます。
ドライバー(人形)も極初期は、ゴーグルをシルバーに塗らず、太もものように太い腕までの造形で、後年両足まで再現されたスレンダーな仕様に変更されました。尚、ドライバーの形状変更によりシャシーの着座部分の形状も変更されています。写真右側が極初期タイプ、左側が後期タイプです。
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フロントのゼッケンサークルも極初期は大きく、後期は小さくなりました。後期タイプからシルバー・グレーのボディカラーには、クリアーが塗られるようになり、そのクリアーが経年変化によりやや黄ばんだ状態も魅力的です。ゴムタイヤも極初期仕様のショルダーが角張りトレッドパターンが筋彫りされたタイプから、後年は丸い造形でパターン彫刻の無いプレーンなゴムタイヤを履いています。その他、同時期にスペインにてライセンス生産された共通の金型を使用したダリア・ソリドも存在しました。
このポルシェ スパイダーは、プロポーションは申し分なく、製作された時代の簡素な作りもとても魅力的なミニカーです。お恐らく1960年代前半まで製造されたようです。最後に1980年代以降、同じ金型を使用した復刻モデルが存在し、タイヤ&ホイール等が異なるVEREM製、トノカバーがブラックに変更された復刻モデルがあり、シャシーにREEDITIONの刻印があります。
この記事を書いた人
モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。