コラム

ペイントしたのは日産車の色!?選びに選んだサファリブラウンに、ボディカラーの奥深さを知る【デューンバギー恍惚日記】第3回

レストアは続くよ

【デューンバギー恍惚日記】第2回」に続き、「メイヤーズ・マンクス」のレストア作業についてお伝えしていこう。

筆者が所有する1969年式「メイヤーズ・マンクス」近影。2017年のレストア完了後もいくつかの改修を実施して現在の姿に。

【画像16枚】色のチョイスや塗装など、着々と進んだ作業の様子を見る!

足廻りの組み立て作業
神奈川県大和市の「K’s Collection(ケーズコレクション/以下「ケーズ」と略)」での「メイヤーズ・マンクス」デューンバギーのレストア作業は、前回お伝えしたシャシーのサビ落としと塗装が完了した段階で、リアとフロントの足廻りの組み込みが行われた。

フロント・トーションバーとギアボックスは再塗装され、新品のSACHS製ショックアブソーバー+ステアリングダンパーと共にシャシーに組み込まれる。ブレーキ系統は、リアドラムのホイールシリンダーが新調された他、マスターシリンダー、ブレーキパイプ、ブレーキホースなど全て新品で再構成。フロントのタイロッドASSYも新品を奢った。

フロントブレーキはディスク化
このバギーにはGMピッチの「アメリカン・レーシング」製「トルクスラストD」ホイールを履かせたかったが、フロントはドラムのままではPCDの変更が不可能であったし、現代の公道を走る前提ゆえ、制動力の向上も盛り込みたかった。

そこでリアはドラムのままだが、フロントには「EMPI」製ディスク・ブレーキ・キットが組み込まれた。これによりPCDの変更も実現。エンジンを別にすれば元来シンプルな構造のシャシーは、これにて概ね完成である。

ボディの色で悩む
ボディ色に関しては少々悩んだ。デューンバギーといえばギラギラのメタルフレークをイメージなさる向きが多いかと思うが、初期のメイヤーズ・マンクスにはソリッドカラーも多い。

自分は1969年頃のストリートバギー的仕上がりを目標にしていたのでソリッドで塗りたかったのと、“ヴィンテージVWやポルシェ356及び初期911の純正色でデューンバギーを塗る”というヨーロッパ風味のトレンドに憧れもあった。ケーズコレクションが仕上げた“チェスナットブラウン”という、渋い焦げ茶色のEMPI impのインパクトが強かったこともある。

自分もそれと同じ方向性で行きたいと考え、911の“セピアブラウン”という明るめの茶色をイメージした。これは1970年頃の流行色で、ダッジならバタースコッチ、プリムスならバハマイエロー、そして日産ではサファリブラウンと呼ばれていたような色だ。

日産のサファリブラウンといえばこのクルマ、510ブルーバード。当時の日産車のサファリラリーにおける活躍(1969年には510でクラス優勝、1970年に総合優勝など)にちなんでの色名である。

そこで日産の色レシピを基本にすることにしたが、当時の日産にはサファリブラウンと似たような同系色が複数あるのだ。それらを様々に調色してもらいながら悩んだが、最終的には、日産「サファリブラウン(906)」の純正レシピでペイントしてもらうことを決心した。

ボディのペイント作業
自分がボディ色でちまちま悩んでいる間にも現場は動いていた。ボディの不要なビス穴やヒケなどがパテで埋められてサンディング、面を平滑にすると共に「足付け」の作業。続いてサフェーサー(下地)塗装。これを2日間かけて乾燥させたのち、再び表面を研磨。ようやく下地が整ったところでついに色入れだ。

サファリブラウンは都合4層吹きつけ塗装され、乾燥を待って再び表面を研磨、仕上げにクリアを2層吹きつけ塗装。クリアは乾燥に1日おき、最後の研ぎ出しを行って完了。乾燥に時間が掛かるのは、FRP製ボディゆえに「焼きつけ」塗装ができないからである。塗料はウレタン系。なお、1960〜’70年代に於けるマンクスのボディ下回りは、FRPの繊維質感がそのまま残された黒ゲルコートが一般的であったので、同様の仕上がりを踏襲した。

次回はホイール+タイヤなどのお話が続きます!

山田剛久

AUTHOR

1962年、富山県生まれ。約20年の出版社勤務を経てフリーに。自動車、模型、モータースポーツ関連のニッチ記事専門ライター兼編集者として、ごく稀に重宝される。ホットロッド/カスタム、1930〜’70年代の内外モータースポーツ、古い自動車模型や玩具が専門分野。「多摩川スピードウェイの会」会員。

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