コラム

「特別な1995年」が原点。KWとスタディ、30周年を迎えたサードパーティたちの軌跡に想いを馳せる【中三川大地の車輪革命】第3回《LE VOLANT LAB》

2025年ニュル24時間のマンタイ911GT3 R(photo: 山本佳吾/K. Yamamoto)
創業当初のKWオートモーティブ(KWサスペンション、photo: KW automotive)
現在のKWオートモーティブ本社(photo: KW automotive)
創業当初1995年にKWが初出展したエッセンモーターショー(photo: KW automotive)
KWオートモーティブが2025年に出展したエッセンモーターショー(photo: 山本佳吾/K. Yamamoto)
2025年ニュル24時間のマンタイ911GT3 R(photo: 山本佳吾/K. Yamamoto)
2025年ニュル24時間のマンタイ911GT3 R(photo: 山本佳吾/K. Yamamoto)
2025年ニュル24時間クラシックのどこぞのポルシェ(photo: 山本佳吾/K. Yamamoto)
現在のKWオートモーティブ本社(photo: 山本佳吾/K. Yamamoto)
スタディのデモカーにして、鈴木“BOB”康昭さんの愛車(photo: 真壁敦史/A. Makabe)
スタディのデモカーにして、鈴木“BOB”康昭さんの愛車(photo: 真壁敦史/A. Makabe)
BMW M チームスタディのM6(SUPER GT GT300、2017年、photo: BMW AG)
BMW M チームスタディのM6(SUPER GT GT300、photo: 中島仁菜/N. Nakajima)
スタディの店内イメージ
スタディの店内イメージ
東京オートサロン2026に来たクラウス・ヴォールファルトさん(photo: 山本佳吾/K. Yamamoto)
東京オートサロン2026に来たクラウス・ヴォールファルトさん(photo: 篠原晃一/K. Shinohara)

あらゆる常識が変わったパラダイムシフト

いま思えば、1995年って特別な年だった。平坦に流れる1年ではなく、いま僕たちが生きているこの現代までつながる、パラダイムシフトの年だったとも思う。

世間一般に知られる1995年は、どんな年だったのか。1月には阪神・淡路大震災が、3月にはオウム真理教による地下鉄サリン事件が起きた。僕たちが生きているなかでの当たりまえな平穏が、案外、脆いものだと気づかされた。

【画像16枚】小さなガレージから世界へ。KWとスタディ、30年の躍進を物語る「1995年の原点」と「今」を見る

悲観的な出来事を並べたいわけではない。1995年8月25日、Windows 95の英語版が、同年11月23日に日本語版も発売された。それまで、専門性が高く、仕事で使うひとか、もしくは好きものが持っているパーソナルコンピューター(PC)を、「誰もが持っていて、手軽に使いこなす存在」へと押し上げる大きな転機となった。

Windows 95のような革命が、同じ1995年に、自動車業界でも発生していたことをあらためて認識した。僕にとって身近なブランドが、ここ最近で軒並み30周年を迎えたことが、その源泉となった年に焦点を当てるきっかけとなった。

カーカルチャーを牽引したサードパーティたち

まずはBMW専門店の「Studie(スタディ)」だ。会社の設立は1995年7月28日で、元祖・横浜店は10月1日にオープンしている。横浜の街はずれで、クルマを2、3台入れるのがやっと、という小さなガレージから始まったスタディは、創業者にして現会長を務める鈴木“BOB”康昭さんの、BMWにかける情熱がファンを引っ張って、この30年で急成長を遂げた。

BMW M チームスタディのM6(SUPER GT GT300、2017年、photo: BMW AG)

BMW M チームスタディのM6(SUPER GT GT300、2017年、photo: BMW AG)

いまでは全国8店舗(技術提携店含む)にまで拡大した。BMW公認のレーシングチーム「BMW Mチーム・スタディ」も携えてレース活動にも積極的だ。日本の改造屋は、BMWのカスタムやチューニングを一般化し、世界的に認められるようになったメイド・イン・ジャパンのBMWサードパーティへ。彼らは本家BMWをも認めさせたのである。

そして同じ1995年に、海を越えたヨーロッパではKWサスペンションが生まれている。最初は3人で始めた小さなサスペンション工房で、たった4車種、9種類のサスペンションを持つに過ぎなかった。いまでは世界で14もの拠点を置き、関連会社を含めて1000人以上が働く「KWオートモーティブグループ」となった。そこから生まれるのは2500車種以上を網羅する約3万種類のサスペンションだ。KW、STだけではなく、apスポーツ、ベルテック、ライガー、BBSジャーマニーなどグループブランドも多種多様である。

創業当初1995年にKWが初出展したエッセンモーターショー(photo: KW automotive)

創業当初1995年にKWが初出展したエッセンモーターショー(photo: KW automotive)

スタディは、ここ日本でBMWをもって、欧州車のカスタム、チューニングを一般化させた功労者だといえる。KWはそんなカーカルチャーのキーデバイスである車高調を人びとに定着させた。彼らの躍進は、PCを一般化させたWindows 95と、ものの見事に一致するように思えてならない。

ちなみに日本初のKWサスペンションユーザーは、先に述べたスタディ鈴木“BOB”康昭さんだったというのも興味深い。先駆者たちは、必然的に互いが惹かれ合うのだろうか。

スタディのデモカーにして、鈴木“BOB”康昭さんの愛車(photo: 真壁敦史/A. Makabe)

スタディのデモカーにして、鈴木“BOB”康昭さんの愛車(photo: 真壁敦史/A. Makabe)

KWの創業者のひとりにして、30年間ずっとオーナーとして最前線で会社を牽引してきたKlaus Wohlfarth(クラウス・ヴォールファルト)さんは、東京オートサロン2026に来ていて、こんなことを話していた。

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中三川大地

AUTHOR

1979年生まれ。自動車雑誌の編集部勤務を経て25歳で独立。以後、フリーランスのモノ書き、ジャーナリストとして活動する。「姿、技術、時流、考えかた」などを堅実かつ独自の切り口で表現、考察する。正確性を追求しながら、文章の表現形式に「スタイル」を貫き、わかりやすくおもしろい表現にこだわる。輸入車、国産車問わず、アフターパーツやカスタム、モータースポーツに関する造詣が深い。

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