最小のボルボに宿る、新たなるユーティリティと選択の自由
ボルボ・カーズは2026年2月25日、同ブランドで最もコンパクトなプレミアム電動SUVである「EX30」のアップデートを発表した。次期モデルイヤーにおいて、新しいエントリーレベルのパワートレインが導入されるほか、洗練されたインテリアデザインの追加や「ブラックエディション」のラインナップ拡充が行われる。さらに、クルマをモバイルバッテリーとして活用できるV2L機能が搭載され、ソフトウェアアップデートによる直感的なユーザーエクスペリエンスの向上も図られる。
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パワートレインの拡充と多様なニーズへの対応
ボルボEX30は、日常の通勤などにおいてプレミアムなEV体験を求めるユーザーに向けたエントリーオプションとして、新しいパワートレインを導入する。この新モデルは、51kWhのバッテリーを搭載し、110kW(150ps)の最高出力と339kmの航続距離を実現している。一方で、たまの遠出など長距離のドライブを楽しむ機会が多いユーザーには、最大476kmの航続距離を誇るより大型の69kWhバッテリーへのアップグレードも用意されている。
これら新たな選択肢が既存のラインナップに加わることで、ユーザーは自身のニーズに最も適した構成をより自由に選択できるようになった。また、「EX30クロスカントリー」のラインナップも拡大されており、新たな「Plus」グレードと、より効率的なシングルモーターのオプションが追加されている。
V2L機能の搭載と直感的なユーザーエクスペリエンス
今回のアップデートにおける技術的なハイライトは、V2L(Vehicle-to-Load)機能の搭載である。EX30はV2Lを提供するハードウェアの準備が整っており、電動ボルボのバッテリーに蓄積したエネルギーを後で使用することが可能となる。当初は一部の市場で提供されるこの機能により、EX30を大容量のモバイルバッテリーとして活用し、電動自転車の充電や、電動工具、サウンドシステム、キャンプ用品といった家電製品への電力供給が行えるようになる。利用に際しては、クルマと電化製品を接続するための専用アダプターが必要となり、これはアクセサリーとして購入が可能だ。
また、新しいUXのアップデートにより、ドライバーにとって最も重要なコントロールへのアクセスが大幅に向上する。設定およびコントロールシステムは完全に再設計され、必要な操作がより手元に近づくとともに、予測されるアクションなどを配置できるカスタマイズ可能なコンテンツバーも備わる。
V2L機能と新たなUXは、夏頃にOTA(Over-The-Air)ソフトウェアアップデートを通じて、新規および既存のEX30ユーザーに提供される予定である。これらの新機能の一部は、現在のEX30ドライバーにも無料で提供される。
北欧の美学を反映した新たなデザインオプション
デザイン面においても、EX30には魅力的な2つのプレミアムな内装が新たに追加される。「ハーベスト(Harvest)」と名付けられたインテリアルームは、北欧の夏の終わりの夕暮れにインスピレーションを得ており、温かみのある明るい色調の美学を提供する。明るい色の再生テキスタイルを用いた織物シートや、ペットボトルなどの再生素材から作られた「ノルディコ(Nordico)」シート、エレガントなダークフラックスの装飾、ブラックのヘッドライニングが組み合わされ、現代的で自然な雰囲気を演出している。
もうひとつの「ブラック(Black)」インテリアルームは、深い黒の色合いを基調とし、わずかにコントラストのあるステッチが施された滑らかなノルディコシートと自然なダークフラックスの装飾が、タイムレスな外観を実現している。この「ブラック」インテリアルームは、拡充されたEX30ブラックエディションでも選択が可能となっている。
さらに、エクステリアカラーには、オニキスブラック、ヴェイパーグレー、クリスタルホワイトの3色が指定できる。ボルボ・カーズのチーフコマーシャルオフィサーであるエリック・セヴェリンソンは、プレミアムなエントリーレベルの電気自動車が急速に成長していると指摘する。その上で、最新のEX30が同セグメントにおける潜在市場をさらに拡大し、ブランド全体の電動化成長の原動力になるとの期待を語っている。
【ル・ボラン編集部より】
デビュー以来、シンプルさと洗練を両立させた北欧デザインで高く評価されてきたEX30が、早くもその魅力を深めた。注目はV2L機能と新内装「ハーベスト」の追加である。再生素材を用いながらも独自のラグジュアリーを再定義するボルボの流儀が、この小さな空間に宿っている。新設された51kWhモデルの航続距離339kmは、既存の「EX30 Single Motor」の51kWh/390kmより航続距離が下まわり、長距離ドライブには心許ない。しかし都市部での移動を主とするならば、この割り切りこそが現代的な知性といえる。しなやかな走りを日常の足としてスマートに使いこなす大人に最適な一台となりそうだ。
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