サーキット試乗

【試乗】なぜ新型「BMW M2 RACING」は直6から直4へダウンサイジングしたのか? 富士シェイクダウンで見えた“真の狙い”《LE VOLANT LAB》

プロも絶賛! スーパー耐久デビューを果たした新型「BMW M2 RACING」はアマチュアの最適解か

BMW Mモータースポーツが2026年シーズンからの投入を目指して開発したカスタマーレーシング「M2 RACING(M2レーシング)」。これをユーザーに向けてデリバリーするToto BMWが今年の2月に導入した。そして富士スピードウェイでそのシェイクダウンテストが行われ、筆者も最後にそのステアリングを握ることができた。

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直列6気筒から直列4気筒へ。あえてダウンサイジングした理由

いまいちどM2 RACINGの存在意義をおさらいすれば、それはBMWにおけるカスタマーレーシングのエントリーモデルだ。先代は「F87型」のM2 CS RACINGをベースとしていたが、現行・第2世代モデルは「G87型」のM2シャシーに、「B48型」の2.0L直列4気筒ターボを搭載していることが、最も大きな違いとなっている。エンジンが「S55」型3.0L直列6気筒ターボ(280ps~450psまで調整可能)からダウンサイジングされた理由は、大きくふたつ。ひとつは、メンテナンス面におけるランニングコストの低減だ。そしてふたつ目は、マシン自体の扱いやすさを高め、よりドライビングに集中できるようにするため。どちらもエントリーモデルという性格には、とても重要な要素となる。

とはいえ新型M2 RACINGのエンジンも、ただのストックではない。その出力はベースエンジン(184ps/330Nm)から313ps/426Nmにまで大幅に高められているだけでなく、出場するカテゴリーやレースのBoP(性能調整)に合わせて、10段階刻みで出力が調整できるようになっている。ちなみにその最高速は270km/hオーバーと公表されている。

レーシングカーならではの機能美! 実践的なコクピット

コクピットからの眺めは、ノーマルのM2をそのままレーシングトリムに簡素化した印象だ。M2 CS RACINGに見られたセンターパネルのスイッチ類はなくなっており、純正のカーブド・ディスプレイとデジタルメーターにレース用のソフトがインストールされている。見せ場はバックスキン化されたステアリングのカーボンスポークに、各種ボタンが埋め込まれているところだろう。ACCの機能を使って「FCY」(フルコースイエロー)、「PSL」(ピットレーンリミッター)、「LIM」(恐らくスピードリミッター)を使っているのは面白いアイデアだ。また右側スポークには「LAP」や「DIS」(ディスプレイ)、「OK」といったデジタルメーターの操作ボタンと、ピットとの交信用「RADIO」ボタンがあるのもレーシングカーならでは。エアコンも装備されているし、ドアのカーボン製インナーパネルには、パワーウインドーやミラー用の調整ボタンが埋め込まれていた。

プロドライバー近藤 翼選手が引き出した予想以上のポテンシャル

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フォト=石原 康/Y.Ishihara
山田弘樹

AUTHOR

自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代からレース活動も始め、ロータスのワンメイクレースやスーパー耐久、フォーミュラスズキ隼やスーパーFJなどに参戦。この経験を活かし、モータージャーナリストとして活動しつつ、ドライビングスクールでの講師も行う。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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