LE VOLANT モデルカー俱楽部

名作キットの解像度を引き上げるエンジン塗装とエイジング術。フジミ製「ヨタハチ」プラモをイマドキ流の作り方で仕上げてみよう! 第6回【LE VOLANT モデルカー俱楽部】

ちょっとの追加工作でより精密に

フジミ(旧ニットー)のヨタハチを現在ならではの作り方で組み上げてみよう、という当連載。トランクルームを作り込み一旦シャシーを仕上げた前回に続き、6回目となる今回は、エンジンとインテリアの塗装・組み立てだ。だがその前に前回の予告通り、シャシー下面にエイジング表現を加えてみた。

【画像28枚】良いキットをさらにイイ仕上がりにするプチ工作と塗装テクを確認!

■フジミ製「ヨタハチ」プラモをイマドキ流の作り方で仕上げてみよう! 連載記事一覧はこちら

今なお最高のエンジンに気持ちもアガる

キットの説明書はフジミ移管後に新たに作られたものだが、シャシーの色指示は実車の塗装や材質にはあまり忠実ではないようで、そのままだとどうも違和感が拭えない。

インターネットで現存車の整備中の写真を見ると、サスペンションや駆動系の部品の一部はシルバーではないようだ。だが、全部真っ黒くしてしまうのも芸がない。

そこで、サスペンションの一部と燃料タンクに、Mr.カラーGX・GX218グラファイトブラックをマダラっぽく吹き重ねてみた。表面の劣化や腐食をイメージしつつ、あくまで「汚し」ではなく「経年の風合い」を記号的に表現したものだ。グラファイトブラックは黒鉛のようなツヤのないメタリック色なので、こういう用途にはピッタリだ。シャシー下面の違和感はこれでほぼ払拭できたと思う。

さて、今回の本題、エンジンである。1980年代のリリース当時、国産1/24カーモデルに、リアルに再現されたエンジンがあるのは画期的だったが、今の目で見てもなかなかに良くできている。前回、排気系からエンジン下半分を切り離したのは、塗装の都合もあったが、やはりエンジン単体を眺めてみたかったからだ。

完成すると見えなくなる側面ヘッドカバーこそ省略されているが、デスビやダイナモまでしっかりモールドされ、電装コードを加えただけでリアルな空冷2気筒エンジンが出来上がった。周囲の補機類の再現もぬかりなく、エンジンルームの密度感は最近のキットと比べても遜色がない。まさしく精密再現キットの面目躍如である。

プラグコードを追加した以外は元のモールドのままのエンジン。ヘッドカバーのディテールは省略されているが、水平対向ゆえヘッドは側面にあり、搭載するとほぼ見えなくなる。

精密という点ではインテリアも負けておらず、当時のキットでは省略されることが多かったABCペダルとシートベルト、ドアトリムがきちんと再現されている。また、前回側壁を追加したトランクには、実車同様にスペアタイヤが収まる。タイヤはホイールと一体のプラ製だが、モールドは悪くないので、塗装にひと手間加えて解像度を上げてみた。

これで車体内部はほぼ出来上がりだ。次回はいよいよボディの塗装にとりかかる。どうぞお楽しみに!

今回制作しているのはこのキット、フジミ製1/24スケール・プラモデル「トヨタS800」、いわゆる「ヨタハチ」。もともとはニットーが1980年代初頭にリリースしたキットで、童友社を経てフジミに金型が移管されており、現在(2026年6月)も入手可能。レースカーやカスタム仕様など、数種類のパッケージがあるが、これはインチアップシリーズで、ノーマルなロードカーのパッケージだ。

【画像28枚】良いキットをさらにイイ仕上がりにするプチ工作と塗装テクを確認!

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北澤志朗

AUTHOR

カーモデルを中心に模型専門誌で活躍するプロモデラー。実車に対する深い造詣に裏打ちされた作品・解説で幅広く支持を得ている、この道30年以上のベテラン。過去には模型店を経営していたことも。

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