ブガッティ、モントレー・カー・ウィーク2026で「デストリエ」と「トゥールビヨン」を披露
2026年8月のモントレー・カー・ウィークにおいて、ブガッティはブランドの過去、現在、そして未来を体現する壮大なプログラムを展開した。世界中からコレクターやエンスージアストが集うこの舞台で、究極のワンオフモデルである「デストリエ」を初披露したほか、次世代ハイパーカーの「トゥールビヨン」がアメリカの公道で初めてステアリングを握られた。1世紀以上にわたって受け継がれてきたクラフツマンシップと卓越したエンジニアリングの粋が、モントレーの地で鮮やかに示されたのである。
【画像20枚】舞台はモントレー・カー・ウィーク。最新ワンオフモデルから歴史的名車まで、ブガッティが魅せた圧巻の展示を見る
ワンオフの芸術作品「デストリエ」がベールを脱ぐ
今回のイベントで最大の注目を集めたのは、ビスポーク部門の「プログラム・ソリティア」から誕生した最新のワンオフモデル「デストリエ」である。モータースポーツの祭典であるザ・クエイルでの一般公開に先立ち、オーナーへと披露された。この特別なモデルは、ボライドの技術的基盤をベースとしながら、スピードとエレガンスを高い次元で融合させた彫刻のような美しさを誇っている。
プログラム・ソリティアは、ブガッティの黎明期を支えたコーチビルドの伝統にインスピレーションを得ており、顧客との共同作業をクルマ作りの中心に据えている。顧客のビジョンを起点とし、モルスハイムのデザイナーと熟練の職人たちが妥協のない姿勢で具現化していく。こうして生み出されたデストリエは、デザインだけでなくその誕生に至るストーリーにおいても、世界にただ一台しかない圧倒的な個性を放っている。
次世代ハイパーカー「トゥールビヨン」がアメリカ初走行
個人の夢を形にするプログラム・ソリティアに対し、ブガッティの未来を指し示す存在として登場したのが「トゥールビヨン」である。モントレー・カーウィークの期間中、トゥールビヨンの検証用プロトタイプがアメリカの公道を初めて走行した。ステアリングを握ったのはマテ・リマックであり、アメリカの地を走る新しいブガッティの姿は、集まったエンスージアストたちにブランドの次なる章を強烈に印象付けた。
永遠に受け継がれる自動車を作るというブガッティの哲学のもとに開発されたトゥールビヨンは、自然吸気の8.3L V16エンジンと最先端のハイブリッドシステムを組み合わせている。これにより、全く新しい次元のパフォーマンスを持つハイパーカーが誕生した。マネージング・ディレクターのヘンドリック・マリノフスキーも語るように、最新のテクノロジーを搭載しながらも、時の試練に耐えうる永続的な価値を持つ車作りへの情熱が込められている。
コミュニティを深める「メゾン・ブガッティ」の特別な体験
モントレー半島のイベント期間中、ブランドの世界観を体験できる拠点となったのが「メゾン・ブガッティ」である。ここでは、新旧のブガッティが集うツーリングイベント「プティ・ツール」が開催され、トゥールビヨンを先頭に美しい半島を駆け抜けた。その後はメゾン・ブガッティにて特別なレセプションが開かれ、完成したばかりの「ヴェイロン 20イヤーズ」の引き渡しが行われるなど、オーナーとブランドの絆を深める時間が設けられた。
また、会場では新しいヴェイロンのコンフィギュレーターが用意され、顧客はパーソナライゼーションの奥深さを直接体験することができた。さらに、時計のジェイコブや自転車のファクターなど、クラフツマンシップとイノベーションへのこだわりを共有するパートナーブランドの展示も行われた。非公開のプレゼンテーションや経営陣との対話などを通じて、顧客はより広い視点からブガッティの未来像に触れることができたのである。
黄金時代を彩る歴史的モデルの競演
最新モデルの発表だけでなく、ブガッティの豊かな歴史もモントレーの地を彩った。ペブルビーチ・コンクール・デレガンスには、デザイン・ディレクターのフランク・ハイルらが審査員として参加したほか、多数の歴史的モデルが会場に姿を見せた。中でも、流麗なクーペボディを持つ1937年型のタイプ57SCアタランテや、イギリスで架装された希少な1935年型のタイプ57ドロップヘッド・クーペなどは、コーチビルドの黄金期における多彩なデザインを現代に伝えている。
さらに会場外の芝生エリアには、圧倒的な存在感を放つ1931年型のタイプ41ロワイヤル・ヴァインベルガー・カブリオレと、背びれのようなリベット留めのシームが特徴的な1936年型のタイプ57SCアトランティックが展示された。ブガッティ・オートモビルズのクリストフ・ピオション社長は、次世代車の開発からワンオフモデルの製作、そして顧客への対応に至るまで、すべての活動が卓越性の追求という一つの目標に向かっていると締めくくっている。
【ル・ボラン編集部より】
ブガッティがモントレーで示したのは、単なる超絶技巧の誇示ではない。V16自然吸気と最新モーターを掛け合わせた「トゥールビヨン」、そしてコーチビルドの系譜を継ぐワンオフ「デストリエ」。これらは電動化の波にただ迎合するのではなく、内燃機関の頂点と未来の技術を高次元で共存させ、100年後も色褪せない芸術作品を創り出すというモルスハイムの執念の結晶だ。タイプ57など歴史的名車と並べても違和感がないのは、始祖エットーレの時代から変わらぬ「唯一無二」の哲学が貫かれているからに他ならない。
【画像20枚】舞台はモントレー・カー・ウィーク。最新ワンオフモデルから歴史的名車まで、ブガッティが魅せた圧巻の展示を見る























