完全自動運転EVの実現に向けて
ドイツの自動車部品メーカーのZFはこのほど、電気駆動車向けのシャシーシステム「インテリジェント・ダイナミック・ドライブ・シャシ(IDDC)」を開発し、このシャシーシステムをベースとした自動運転プラットフォーム「スケートボード」を発表した。
スケートボードによって、電動パワートレインを含むプラットフォームからキャビンと切り離して扱うことができるようになるわけだが、このスケートボードをベースに、スイスの老舗カロッツェリアであるリンスピードが最新の都市型モビリティコンセプト「Snap」を発表した。
IDDCにはmSTARSモジュラーリアアクスルシステムと呼ぶモジュラーセミトレーリングアームリアサスペンションが採用され、リアアクスルステアリングが統合される。Snapに搭載されたリアアクスルステアリングの最大操舵角は14度を実現している。
一方、フロントアクスルにはEasy Turnというシステムを搭載。ZFの改良型電動パワーステアリングとの相互作用によって、操舵角は最大で75度におよぶ。前述したリアアクスルステアリングとの組み合わせによって、混雑した街中の走行でも大きなメリットを生み出すわけだ。
さらにスケートボードには自動運転を見据えたセンサーが搭載され、カメラシステムと組み合わせて車両の周り360度周囲を監視。走行環境や天候など、実際の走行に即した制御を行なう。
将来は、搭載するすべてのコンポーネントやシステム、センサーなどのデータをスーパーコンピュータ「ZF ProAI」で分析・処理。これを元にした人工知能に活用、完全自動運転に向けて役立てていくという。