県道16号・石廊崎(No.036)
入り江を回るたび、美しい海岸風景が次々と現れる。
下田市の郊外で国道136号から分岐し、伊豆半島の最南端、石廊崎をぐるっと巡る県道16号は、伊豆半島のシーサイドの魅力をギュッと凝縮したような道である。
ルートの途中には弧を描く砂浜が美しい弓ヶ浜、奇岩や断崖が連なる石廊崎やあいあい岬周辺、さらには名もない小さな漁港が点在し、岬を回るたび、コーナーを抜けるたび、美しい海岸風景が次々と姿を見せてくれる。
県道とはいっても整備の行き届いた2車線道路(片側1車線)で、交通量は少なめ。おまけに同じ伊豆半島でも、このあたりまで南下すると、海や空の碧さも際立ってくる。なんとも爽快な走りを満喫できるのである。
このルートを走り終えたら、そのまま国道136号で松崎方面をめざすのがお勧め。国道136号の子浦から雲見までは、かつての有料道路、マーガレットライン(正式名称:南伊豆道路)で、こちらも県道16号同様、変化に富んだ海岸風景を楽しめる。雲見から松崎までの間は、道路沿いに二十数体の彫像が建ち並ぶことからアートラインとも呼ばれている。
ちょっと意外だが、県道16号と国道136号を走りつないでいくと、下田の町外れから松崎町の入口まで、40km以上にわたって信号機はひとつもない。南伊豆の美しい海辺の風景を楽しみながら、自由気ままなペースで走り続けることができるのだ。