国内試乗

【国内試乗】「アウディ A1スポーツバック」生まれ変わったエントリーモデル

2代目へとフルモデルチェンジした、新型A1スポーツバックが上陸した。コンパクトなボディに、先進的で力強いデザイン、上級モデル譲りのインフォテインメントシステムや先進運転支援システム、高い品質など、アウディラインナップに共通する魅力を凝縮したモデルに仕上がっている。

これが最新の小さな高級車

2代目になるA1の新型はスポーツバック(5ドア)である。9年前の初代モデル登場時は、フィアット500とMINIの市場に斬り込む3ドアがイメージリーダーに見えたが、新型はスポーツバック押し。今のところ3ドアの生産は予定されていないらしい。先代の国内販売も、5ドアが約8割を占めていたという。

ボディカラーはアウディ初となるティオマングリーン及びパイソンイエローメタリックなど10色のバリエーションを用意。ルーフカラーは、ボディ同色またはミトスブラックメタ リックのコントラストルーフもオプションで選択可能だ。

現行ポロと同じMQBプラットフォームに刷新された新型スポーツバックは、ホイールベースを旧型より95mm延ばし、全長は+55mmで4005mmになった。全長4mを超すと一部のカーフェリーで料金が変わったりするが、フルチェンジでもこの程度の大型化にとどめたのは、コンパクトカーユーザーフレンドリーだろう。

先代の1.4Lに代わる新開発の1.5L直4エンジンは、最高出力150ps/最大トルク250Nmを発揮。気筒休止システムのシリンダーオンデマンドによって省燃費と高効率を実現。

側面のフォルムはポロとそれほど変わらなく見えるが、コントラストルーフの塗り分けが入ると途端にアウディっぽくなる。シングルフレームの顔は、先代より精悍になった。ボンネット先端裏の3分割スリットは、なんと1984年のスポーツクワトロのオマージュだという。ミシェル・ムートンの男勝りドライブで知られたグループBラリーマシンのホモロゲーションモデルである。細かすぎて伝わりにくいけど。

コンパクトクラスで最もスポーティなインテリアを目標としてデザインされたという室内は、コクピットという言葉がふさわしいドライ バーオリエンテッドな空間を生み出す。

借り出した試乗車は35TSFIアドバンスト(365万円)。ポロRラインと同じ新開発の1.5L直4ターボを積む日本仕様A1スポーツバックの第一弾で、当面、Sライン(391万円)との二本立てになる。

ファーストタッチの印象は「小さな高級車」である。気筒休止システムの入った直噴ユニットは、旧型1.4Lターボより静かだ。遮音も向上したように思う。215/45R17のタイヤサイズはスポーツサスペンションのSラインと同じだが、バネ下がバタつくことはなく、乗り心地はしっとりしている。ひとことで言えば、滑らかなコンパクトカーである。

ダッシュボードはドライバーを囲むような形状に変わった。エッジのきいたカクカクした内装も新しい。試乗車はオプションのバーチャルコクピットで、新築感はいっそう高い。けれども、車内の幅や高さは変わっていないから、コンパクト感は従来通りである。ステアリングは36.5cmと小径で、運転操作もコンパクトだ。視点も低い。地面も近い。道路を走ることが好きなら、好きな道路面に少しでも近いほうがいい。こういう“低いクルマ”に乗るとつくづくそう思う。

150psのパワーは以前と同じ。パンチは1.4Lのほうがあったかもしれないが、新型プラットフォームのおかげで車重は20kg軽い。いちばん楽しかったのはワインディングロードである。7段DSGをMTモードに入れてレッドゾーンまで回すと、ターボの伸びが気持ちいい。大入力を与えても足まわりのフトコロは深く、馬鹿力がないかわり、自在感を堪能できる。2020年以降、1.3気筒ターボを始め、エンジンバリエーションは増えていくだろうが、ベースがこれなら、まだ煙も立っていない次期S1にも期待したいところである。
最後に試乗車の仕様書を見たら、オプション込みで468万円。お値段だけがコンパクトでないのは、アウディだから仕方ないか。

先代モデルから95mm長くなったホイールベースにより、上位セグメントに迫る居住空間。荷室容量も65L拡大し335Lとなった。

【Specification】AUDI A1 SPORTBACK 35TFSI ADVANCED/アウディA1スポーツバック35TFSIアドバンスド
■全長×全幅×全高=4040×1740×1435mm
■ホイールベース=2560mm
■トレッド=前1510、後1490mm
■車両重量=1220kg
■乗車定員=5名
■エンジン型式/種類=DAD/直4DOHC16V+ターボ
■内径×行径=74.5×85.9mm
■総排気量=1497cc
■圧縮比=10.5
■最高出力=150ps(110kW)/5000-6000rpm
■最大トルク=250Nm(25.5kg-m)/ 1500-3500rpm
■燃料タンク容量=40L(プレミアム)
■燃費=(JC08)17.3km/L、(WLTC)15.6km/L
■トランスミッショッン形式=7速DCT
■サスペンション形式=前ストラット/コイル、後トレーリングアーム/コイル
■ブレーキ=前Vディスク、後ディスク
■タイヤ(ホイール)=前215/45R17(7.5J)、後215/45R17(7.5J)

■車両本体価格(税込)=3,650,000円

お問い合わせ
アウディジャパン 0120-598-106

フォト=柳田由人/Y.Yanagida ルボラン2020年2月号より転載

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